日本ハム斎藤佑樹投手(33)が涙の引退試合に臨み、11年間の現役生活に幕を下ろした。

斎藤の早大時代の同期、西武大石達也2軍投手コーチ(33)が引退試合の節目に、直筆の手紙を贈った。早大4年時の10年ドラフトで6球団競合した右腕。切磋琢磨(せっさたくま)した4年間を懐かしく思い返した。

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斎藤へ

 

まずはこれまでの現役生活、本当にお疲れ様でした。引退を斎藤から聞いた時は、率直に「この日が来てしまったのか」と思いました。一方で、数年前からグラウンドで会うたびに、「肩どう?」とか聞かせてもらったことがありましたね。斎藤自身、覚悟を持ってやっていたと僕も感じていましたし、驚き自体はあまりなかったと思います。

斎藤は野球に対して本当に勉強熱心、注目されている中でさらに成長する姿、本当に尊敬しかないですね。僕も斎藤の近くにいて「もっと野球がうまくなりたい」。そんな風に斎藤がずっと考えているのがわかりました。メカニック的な話もたまにしましたが、僕からしたら「何でそんな話を知っているの?」といつも思っていました。ただそれは斎藤が色々なところで情報収集をしたり、野球に対して貪欲だったからでしょうね。ただ大学時代、ユニフォームを脱いだらほかの大学生となんら変わりのない斎藤でしたね。驚きましたが、いい意味でギャップがありましたね。これが本当の斎藤なんだと。それが知れたのもすごくうれしかった記憶があります。

僕が引退した2019年も連絡をくれました。その年のシーズンが終わり斎藤がオフに入ったとき、千葉の室内練習場で練習をするから「付き合ってよ」って。その後、ご飯に行っていろんな話をしましたが、常に気にかけてくれているというのを感じました。面倒見がいいというか、「仲間想い」ですね。この気持ちを言葉にするのは難しいですし、もしかしたら斎藤自身はあまり深く考えていなかったと思いますが僕にとっては凄くうれしかったです。

引退を決めるまで斎藤自身も色々悩んだと思います。次、また何をするかはわからないですし、僕がこんなことを言っていいかわかりませんが、これからも斎藤らしく頑張ってほしいと思います。

大石達也