阪神が痛恨のドローで22日にもV逸の危機に立たされた。前夜は11得点の猛攻で圧勝したが、5回無死一、二塁の好機で無得点に終わるなど拙攻でホームが遠かった。首位ヤクルトとのシーズン最後の直接対決を勝利で飾れず、逆転Vは厳しい状況になった。残り4試合。猛虎よ、死力を尽くせ!

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10月の甲子園に白いため息が漏れた。0-0の9回2死二塁。土壇場で得点圏まで走者を進めたが、最後は守護神マクガフの9球目高め直球を糸原が打ち上げて左飛。首位ヤクルトとのシーズン最終戦は両軍ともスコアボードに1点も刻むことが出来ずドローに終わった。阪神にとっては絶対に落とせない一戦で痛すぎる引き分け。矢野監督も「どんな形でもいいんで勝ちたかったというのが正直なところ」と、悔しさをにじませた。

前夜の16安打11得点の大勝から一転、序盤から重たい空気に包まれた。大山を2試合ぶりに先発で起用し、前日のヒーロー1番島田、3番近本とそのままの打順で並べたが、先発の左腕高橋の前に打線が沈黙。指揮官も「いい形で(カーブを)使われたかなという感じはあった。球の力もあったし、カーブが良かったからなかなか簡単ではなかった」と振り返った。4回まで無安打に抑えられるなど7回4安打無得点。無情にもゼロが並んだ。

最大のチャンスも不発に終わった。5回には先頭糸原、大山と2連打で無死一、二塁と攻め立てたが、7番小野寺が初球をバスターで右飛。後続も倒れた。矢野監督は勝負手のシーンを「どうしても点を取りたかったらいろいろ考えはありますけど、自分たちがしっかり点を取ろうとした中でやったこと」と説明。積極的なタクトが裏目となってしまった。

首位ヤクルトの優勝マジックは1つ減って「3」になった。22日にも16年ぶりリーグ優勝の可能性が消滅する。「この引き分けは変えられないし、でも残りの試合でこの引き分けがあって優勝できたなというものに変えられるチャンスはまだ残っている。残りの試合で自分たちで引き寄せるように全力で戦っていきます」。ここで振り返っても仕方がない。泣いても笑ってもシーズンは残り4試合。すべて勝利するしか道は開けない。【桝井聡】

▼阪神の逆転優勝は極めて困難になった。ヤクルトが3勝すれば、阪神の成績にかかわらず終戦。2勝以下に終わった場合にのみ、かろうじて可能性が生まれる。阪神が残り4勝や3勝1分けならヤクルト2勝4敗など、3勝1敗や2勝2分けならヤクルト1勝5敗の場合などで阪神が優勝となる。いずれにせよ、ヤクルトが残り試合を負け越すことを期待するしかない。

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