負けられない試合で、ロッテ佐々木朗希投手(19)の自慢のストレートがうなりを上げた。

初回、いきなり1番浅間を157キロで空振り三振に。7球全て直球だったが、フルカウントから当てることもさせなかった。波に乗る。4回には杉谷、西川、近藤を3者連続三振。終わってみれば6回11奪三振。プロ入り後では2軍戦も含め、初めての2桁奪三振となった。

直球を67球(ボール球含む)投げ、9度空振りさせた。この比率13・4%は、1軍公式戦では自身最高値となる。三振を奪った決め球で、変化球より直球が多くなったのもプロ入り初。大船渡高3年時にも、わずか1試合しかなかったことだ。直球の平均球速154・3キロも、自身最高値となる。

過去7度の登板にはなかったような強い風が吹く環境下で、ストライク率も3試合連続で7割を超えた。2回2死、1発のある6番万波を155キロ、156キロ、157キロと3球連続外角への直球で1度も振らせずに見逃し三振に仕留めた。その間、ロジンを1度触ったことも含めてわずか35秒。打者24人と対戦し、うち7人をわずか2球で追い込むなど、終始自分のペースで投げ続けた。

6回に3安打に捕逸が絡み、2失点した。球団を通じて「3点もらったのに苦しい形でリリーフに回してしまって反省しています」と話すにとどめたものの、その力投がサヨナラ勝利につながった。

大一番での19歳とは思えない堂々の投球。井口資仁監督(46)も「どのシチュエーションでも変わらず、自分の投球ができる投手なんだなというのはあらためて感じましたね」とたたえた。

指揮官は同時に、シーズン最終戦となる30日の日本ハム戦(ZOZOマリン)に先発にさせる方針もあらためて口にした。「もちろん相手も研究してくると思うので、しっかり1週間、自分のコンディションも含めて調整してもらいたいなと思います」。逆転Vへ走るチームにとって、最終戦はどんな位置づけになるか。「(佐々木朗が)投げる前には(優勝を)決めたいですけど」と願っていた。【金子真仁】