ソフトバンクが来季の助っ人候補として、中日ダヤン・ビシエド内野手(32)の動向の調査に乗り出すことが24日、わかった。23日に8年ぶりBクラスが決定。工藤監督が今季限りで退任し、立て直しを図るチームの主軸として、NPBでの経験豊富な強打者の獲得も視野に入れている。

ソフトバンクの助っ人野手は、すでにバレンティンの退団が決定。長年チームを支えたデスパイネとグラシアルは、今季が20年からの2年契約最終年だった。デスパイネはキューバ代表として五輪予選に出場していた6月に、現地メディアの取材に退団の可能性を明かしていた。グラシアルも今年5月に痛めた右手指の回復が思わしくなく、1軍復帰できないままこの日、帰国の途に就いた。今後の交渉次第だが、ともに今季限りで退団する可能性が高くなっている。

ビシエドは16年から中日でプレーし、18年には首位打者と最多安打のタイトルを獲得。広いナゴヤドームを本拠地に本塁打数こそ少ないものの、安定して高い打率を残している。今季の交流戦では打率4割9厘、3本塁打をマークするなど、パ・リーグへの適応力もありそうだ。20年にはゴールデングラブ賞を獲得しており、一塁守備も堅実。指名打者を使わずに起用できる点も大きな魅力だ。

今季は得点力の低下が、チーム低迷の大きな要因だった。常勝軍団復活へ、3年契約最終年のビシエドが退団した場合に備え、動向を注視していく。

◆ダヤン・ビシエド 1989年3月10日、キューバ生まれ。19歳で米国に亡命し、08年にホワイトソックスとマイナー契約。10年メジャーデビュー。16年に中日入団。18年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得。ベストナイン2回、ゴールデングラブ賞1回。185センチ、108キロ。右投げ右打ち。