ロッテが崖っぷちだ。優勝マジック3で迎えたソフトバンク戦(ZOZOマリン)で、美馬学投手(35)が2回途中7失点と大炎上。7-15で大敗した。

首位オリックスが白星で全日程を終了し、ロッテが逆転優勝するには残り3戦で「3連勝」または「2勝1分け」を満たすしかない。1敗した時点で消える夢。最後の最後に、力が試される。

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あまりに厳しい現実だった。2回表、7失点。勝てば一気に優勝に近づく試合でベテラン美馬が開始28分後にKO。2イニング持たなかった。

初回、マーティンの27号先制ソロで華やかに幕を開けた。「とにかくチームの勝利に貢献したい」と主砲が高めた雰囲気も、連勝の勢いも、霧散した。遊撃エチェバリアの送球エラーから4連打を含む6安打。失点7で自責0の珍しい記録になったが、美馬が打ち込まれたのは事実。内野安打や失策から崩れやすい悪癖が出た。井口資仁監督(46)も「あのエラー1個で7点はちょっと。あそこで試合が決まってしまった」と言うしかなかった。

時は戻せない。進むしかない。大量ビハインドの中、千賀-石川-甲斐野-板東のリレーから、7点を奪った。佐藤都の本塁打、岡の3安打を含めて6番打者以降で7安打。悩める安田もアジャストし始めた。指揮官は「こういう展開でもしっかりと打線の方はやってくれた。また明後日の試合にもつながると思います」。6回からは雨も降る中、絶望だけには終わらなかった。

マジック点灯後から、井口監督は「自力で勝たないと何の意味もない」と言ってきた。首位オリックスは143試合を終えた。ロッテは究極的に地力が試される場に置かれた。負けたら終わりの残り3戦。

「そういう状況になりましたので、残り3試合とにかく。そういうつもりでずっと今日もやってましたけど、いよいよというところなので、なんとか全員で残り3試合を頑張りたい」

今季、引き分けを挟まない3連勝以上は7度あった。3つとも勝つのみ。まず、仙台で勝つ。【金子真仁】

◆ロッテのV条件 残り3試合でマジックは3のまま。自力Vの可能性は残っているが、オリックスを上回るには3戦全勝か2勝1分けが必要になる。ロッテの優勝決定日は現日程でチーム最終戦の30日だけ。

▽ロッテ美馬(2回途中7失点KOで期待裏切る)「すいません。コメントできることが何もありません」

▽ロッテ藤岡(大量ビハインドの5回に2点適時打)「とにかく最後まで1点ずつでも返していけるように。最後まで攻めていきます」