6年ぶりの歓喜を、投手陣がフル稼働で支えた。

優勝がかかった重要な一戦は、7人の継投で逃げ切った。高津臣吾監督は、優勝会見で「一昨日(24日巨人戦・神宮)高梨をブルペンに入れて、いろんな想定をしていて、機会があれば登板させて、今日(高橋)奎二(を先発で)と思っていた。それがなかったので、最初から今日は継投で、みんなでつないで最後スコット(・マクガフ)と思っていた。早い段階から準備していたし(高梨は)あそこまでよく投げてくれた。いろんなことを想定して、今日はこの結果になりました」と明かした。

中10日で先発した高梨は、4回を被安打5の1失点。4回1死一、三塁のピンチを併殺で抑えるとガッツポーズ。「すごく緊張しましたが『絶対大丈夫』と自分に言い聞かせながら腹をくくって投げました」と話した。

“高津マジック”が発動した。5回を石山、田口とつなぐと、6回からは先発で3勝の高橋を今季初めて中継ぎで起用。7回2死で一飛をオスナが落球したが、冷静に続く森を150キロ直球で空振り三振。2回を無失点に抑えて勝利投手となり「すごく緊張しました。なんとか後ろに良い形でつなぐことができて良かった」。

8回からは4点差ながら勝利の方程式を投入。清水は24日の巨人戦で今月11ホールド目を挙げ、球団記録を更新しセ・リーグ記録タイに並んだ。9回は守護神マクガフが締めて、グラウンドもベンチも全員がガッツポーズ。この日の練習の際には、野手が試合前にするように投手陣だけで肩を組み、円陣をつくって気持ちを1つに。みんなでつないだ先には、優勝が待っていた。

◆高津臣吾(たかつ・しんご)1968年(昭43)11月25日、広島県生まれ。広島工-亜大を経て90年ドラフト3位でヤクルト入団。最優秀救援投手4度。03年オフにFAでホワイトソックス移籍。メッツ、ヤクルト、韓国ウリ、台湾興農、BC新潟を経て12年引退。日本通算286セーブは歴代2位。14年に1軍投手コーチでヤクルトに復帰し、20年から監督。180センチ、75キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸8000万円。