あの1発が逆転Vへと導いた。9月30日ZOZOマリンでの首位ロッテ戦で、生え抜き野手最年長33歳、16年目のT-岡田が放った劇的な逆転3ランだ。

2点を追う9回2死一、三塁から右翼席へ起死回生の1発。ダイヤモンドを1周した背番号55が「Tポーズ」を決めると、ナインは思い切り抱きついた。

「ああいう場面で、ここ何年も打ってなかった。こういう大事な戦いの中で打てたのは、やっぱりうれしい。自信にしたい」

直後にロッテベンチが、一塁ベースを踏んでいないと主張し、リクエスト。三塁側ベンチ内では、17年に本塁踏み忘れで来日1号が幻になった助っ人を引き合いに「もし踏んでなかったら、あだ名、マレーロにするぞ!」の声が飛んだ。だが、判定通りの結果となり、ゲーム差なしの2位に。25年ぶりVへムードが最高潮になった瞬間だった。