阪神は高橋の踏ん張りに尽きる試合でした。テンポ良くほとんどがストライク先行。枠の中に収める中でも失投らしい失投もなく、多くが良いコースに決まっていた。3回までの球数は、荒れていた田中晴の85球とは対照的に34球。1失点ながら6回115球で降板を余儀なくされた田中晴に対して、同回でまだ71球でした。球数にも制球力の高さが現れていて、しっかり8回を投げ切る要因になりました。

真っすぐとツーシームを軸にスライダー、カットボール、チェンジアップもある。真っすぐの球速は150キロ前後ですが、糸を引くような球が両サイドに決まると簡単にはとらえられない。落ちるツーシームでファウルも空振りも取れる。スライダーの曲がりも良いし、右打者のひざ元に食い込むカットボールは厄介でなかなか打てません。緩いチェンジアップでもタイミングを外し、広島に3連勝して乗っていたロッテ打線に的を絞らせませんでした。

唯一のピンチは8回でしたが、1点も与えられない1-0が続いて力が入ったのでしょう。チームは3連敗中で、同点も許されない場面。珍しく連続四球を出しましたが、冷静かつ、力を振り絞って後続を断ちました。大谷翔平もすごいけど高橋もすごい。そう感じさせる圧巻の投球でした。

高橋に我慢の投球を強いた要因は味方打線にあるでしょう。こちらも2回が唯一のチャンス。1死満塁のフルカウントで、中野の二ゴロの間に先制点を挙げました。でも見逃せば高めのボール球で押し出しです。続く森下も高めのボール球を強引にいった捕邪飛で結局1点止まり。この日ベンチが組んだ1番中野、2番森下の打順の見せ場で、1点でも追加できていれば高橋は楽になったでしょう。交流戦に入って打線が全体的に湿っているので、30日の村上、31日の才木にも粘りの投球が求められます。(日刊スポーツ評論家)

【動画】阪神高橋遥人、変化球キレキレ!空振りさせた球が右打者に当たった

ロッテ対阪神 力投する阪神高橋遥人(撮影・藤尾明華)
ロッテ対阪神 力投する阪神高橋遥人(撮影・藤尾明華)