熱血漢の兄貴分も、大はしゃぎだった。31歳のオリックス伏見寅威捕手は、若手の面倒見役を務める。日頃は優しく、ときには厳しく…。適度な距離感を保つため「自分はお兄ちゃんとは思われてないと思う」と心境を吐露し「先生。うるさい先生、生徒指導の先生、絶対そう思われてるよ!」と破顔する。

試合前ウオーミングアップは「定位置」の左端最前列で声を張る。ベンチでは中央付近に腰掛けての「パイプ役」。マスク越しの分析も生きる。ナイターゲームでも必ず午前中に球場入りし、先発投手の映像をチェック。「どこが良いのか、どこがダメなのか。良い部分を引き出すためには、その発見の連続なんです」。20歳宮城や山崎福を好リードで支えた女房役。地道な作業の繰り返しが、歓喜を呼んだ。