オリックスが1996年(平8)以来、25年ぶりにパ・リーグ優勝を決めた。27日、2位ロッテが楽天に敗れて決定。京セラドーム大阪で待機していた中嶋聡監督(52)をはじめ、ナインが喜びを爆発させた。12球団で最も優勝から遠ざかっていたが、OBで就任1年目の中嶋監督が負け犬根性を払拭(ふっしょく)。NPB最長の実働29年の経験を生かした数々の改革で、ナインを躍動させた。

<中嶋聡(なかじま・さとし)>

◆球歴 1969年(昭44)3月27日、秋田県生まれ。秋田・鷹巣(たかのす)農林では甲子園出場ならず。強肩強打を武器に86年ドラフト3位で阪急入団。

◆デビュー 87年10月18日南海戦(西宮)に8番捕手で先発。オリックス誕生の89年に121試合出場し正捕手に。

◆素手捕り 90年9月20日の日本ハム戦(東京ドーム)で、星野伸之のスローカーブを右で素手捕球。星野への返球が投球より速かったことで両軍ベンチや客席が沸き、星野は苦笑い。

◆2連覇 阪神・淡路大震災直後の95年「がんばろう神戸」を合言葉にオリックス初優勝。ベストナインに選ばれた。翌96年は巨人を倒して初の日本一に。

◆米大リーグ断念で西武へ メジャーを目指し97年オフFA宣言。交渉はまとまらず、正捕手伊東勤がいた西武を移籍先に。

◆松坂の女房役 98年ドラフト1位入団した松坂大輔の専属捕手として出番が増える。型にはめず気持ちよく投げさせるリードが能力を引き出した。

◆移籍 02年オフのトレードで横浜(現DeNA)に移籍。03年オフに金銭トレードで4球団目となる日本ハムに移籍。07年からバッテリーコーチ兼任。

◆最後の阪急戦士 同期の高木晃次が09年引退、阪急に在籍した最後の現役選手となった。

◆実働29年 46歳の15年に2試合出場し、実働29年に到達。工藤公康、山本昌と並ぶプロ野球最長。パ・リーグでの28年は単独最長。同年引退。3球団で日本シリーズに出場。球宴出場6回、ベストナイン、ゴールデングラブ賞各1回。

◆引退後 16年から日本ハムのGM特別補佐としてパドレスに派遣され、18年は1軍コーチに復帰。19年からオリックス2軍監督。昨年8月、西村監督の辞任後に監督代行。今季から正式に監督に就任した。

◆サイズ 182センチ、84キロ。右投げ右打ち。