じっくりと日本を代表する投手になる。日本ハムからドラフト1位指名された天理・達孝太投手(18)が6日、大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円、年俸1000万円で仮契約を結んだ。

新庄剛志監督(49)が来季、全選手を1度は1軍で使う構想を明かしたが「まずは体作り」と焦りはない。目の前の課題を1つずつクリアして1軍登板を目指す。(金額は推定)

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達は4日に行われた新庄監督の就任会見を録画映像で視聴。同監督が「今年のドラフト1位でとった子が開幕投手になるかもしれない」と名前を挙げられたが、「もちろん投げてみたい気持ちはありますけど、まずはしっかり体を作っていきたい」と冷静に受け止めた。大渕スカウト部長は「高校生にしては珍しいくらい自分の考えを持っている。正しいか間違ってるかは別に良くて、自分で考えられるのは重要」と評価した。

最大の武器は194センチの長身から投げ下ろす最速149キロの直球。「他の投手にはまねできない強み」と自信を持つ。だがシーズンを見据え、取り組んでいるのが変化球の球速アップ。「今の球速でプロのバッターは打ち取れない」と、スライダー、フォークなど全ての変化球の球速アップを目指す。「ストレートに近い球速で投げられるようにしたい」と意気込んだ。

連日話題をさらっている新監督だが、引退した06年はまだ4歳。現役時代の記憶はないが「バラエティーで活躍されていたりスター性が魅力的。野球でいちばん大切にしていることを聞いてみたい」と顔を合わせる日を待ち望み、パフォーマンスについても「やると言われたらやります」と即答。ゴンドラで天井から降りるのも「大丈夫です」と力強くうなずいた。球界を代表する指揮官のもとで、日本を代表する投手へ一歩ずつ階段を上っていく。【小林憲治】