日本野球機構(NPB)は9日、10、11月度の「大樹生命月間MVP賞」を発表し、阪神伊藤将司投手(25)がセ・リーグ投手部門で初選出された。阪神の新人では94年5月藪、13年8月藤浪、21年5月佐藤輝に次ぐ4人目で新人左腕に限れば、球団史上初の快挙。「選んでもらえてうれしいです。初めての月間(MVP)なので、本当に光栄だと思います」と喜んだ。

10月は5試合に登板し、4試合で先発し、3勝0敗で防御率0・98。優勝争い佳境のチームに白星を届けた。「チーム自体も優勝がかかっている時だったので、その中で必死に投げて、こういう結果に結びついたのはよかった」と振り返った。

10月を含む後半戦のデキの良さは数字にも表れた。「前半戦は被弾が多かった」と自己分析するように、前半戦の被本塁打率は1・06で、9回あたり1本以上を打たれた。だが、後半戦は被本塁打率を0・85まで下げた。「ストレートを内、外に投げることができたので、外のツーシームを生かせるようになった」と手応えを明かした。

昨年12月の入団会見では「2桁(勝利)目指してやっていきたい」と目標を語った通りの有言実行。ドラフト制後の球団新人左腕では1967年(昭42)の江夏豊(12勝)以来54年ぶりとなる10勝(7敗)をマークした。自己採点は「100点くらいでお願いします」と会心で、「来年も2桁勝利目指して頑張っていきたい」と引き締めた。虎のローテーションを支えた左腕が、2年目にさらなる飛躍を期す。【前山慎治】