阪神原口文仁捕手(29)が出場機会を求めて外野手に挑戦することが12日、分かった。甲子園で行われた秋季練習のシートノックで本来の捕手のポジションではなく一塁、左翼でノックを受けた。矢野監督は「キャッチャーというよりは『野手』で勝負したいということ。もちろんそれは、フミの気持ち」と、志願であることを明かした。

12年目の今季は56試合に出場し、打率2割4厘、3打点、0本塁打。代打の切り札として存在感を示したが、スタメン出場は支配下に復帰した16年以降では初めてゼロに終わった。守備では梅野、坂本に次ぐ「第3捕手」としての役割を担ったが、それだけにベンチを温める試合が増える。持ち前の打撃を生かすための外野手挑戦だ。

もちろん、キャッチャー経験者だけに、緊急事態には外野や一塁からマスクをかぶることも可能。チームにとっては捕手2人制を敷けるメリットもある。矢野監督も「すごいよね。普段からすごいけどさ。やるって決めたら、すごい準備をする。アイツの姿勢には本当に頭が下がる」と、その心意気を認めた。逆境を乗り越えてきた不屈の男が、大きな決断を下した。【桝井聡】