DeNA楠本泰史外野手(26)が18日、契約更改交渉に臨み、年俸1380万円から930万円アップの2310万円でサインした。「周りの方からは『よくやったシーズンだったね』と言っていただけるが、自分ではキャンプも開幕も2カ月がファームスタートだったので、よくできたというより、悔しさが大きかった。悔しさがあった分、なんとか1軍の舞台でやれた。よくできたシーズンより悔しいと思うシーズン。周りの方が言ってくださるほど、満足できるシーズンではなかった」と振り返った。

今季は開幕1軍は逃したが、5月28日に1軍昇格。76試合に出場し、114打数29安打、2本塁打、18打点、打率2割5分4厘だった。いずれの数字も自己最高をマークした。中盤からは代打の切り札として起用された。

9月7日の巨人戦(横浜)では左腕の大江竜聖から3ランを放った。「左投手は元々苦にしていなかった。逆に向かっていくというか。逃げたら負けだと思っている。ぶつけられても仕方ないぐらいの覚悟で打席に入っている。他の選手と違う色を出していくんだと、今年取り組んだ部分」。対右投手の打率2割5分8厘(OPS0・693)に対し、左投手には2割4分(OPS0・686)。左右でほとんど変わらない数字を残した。

オフの自主トレは、目標とする日本ハム近藤健介外野手、広島西川龍馬外野手に同行をお願いした。「自分が目指すところ、自分の持ち味を強く生かす意味でも目標とする理想像。ああいう選手になりたい理想像が近藤さん、西川龍馬さんといった左打者だった。コンタクト能力にたけていて、四球もきちっと取りながら勝負強い打撃ができる」。新たな段階へ、進んでいく。(金額は推定)