えっ、一塁転向!? 阪神糸井嘉男外野手(40)が、来季の一塁守備挑戦を“予告”した。19日にSNSで「ファーストも… 頑張っみよう!」(原文ママ)と投稿。来季チーム最年長の41歳を迎えるベテランが、仰天プランをにおわせた。矢野燿大監督(52)も歓迎の姿勢で、来春のキャンプではファーストミット姿の超人が見られるかも。

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若虎が秋季練習で汗を流す日々の中、40歳糸井が仰天プランを明かした。19日に自身のインスタグラムでファーストミットのイラスト画像を投稿。さらに同日の午後7時8分には、ツイッターで「ファーストも… 頑張っみよう! #そのうちピッチャーも」(原文ママ)と記した。さすがに投手は冗談だろうが、一塁志願は本気の予感。超人節でファンをざわつかせた。

井上ヘッドコーチは「初めて聞いたわ。そうなの?」と目を丸くしたが、意気込みは大歓迎だ。「よっぽどのことがない限り、守らせることはないだろうけど、意欲は買わないといけない。それだけ試合に出たい、飢えているんだねと受け止めれば」。矢野監督も「いいんじゃないの? 挑戦はウエルカム」と喜んだ。

常識破りの野球人生だ。03年ドラフト1位で日本ハムに投手で入団したが、1軍未登板で3年目の06年4月に外野手に転向。だが野手で花を開き、中軸に成長。オリックス、阪神と渡り歩いて今季は史上最年長となる40歳1カ月で通算300盗塁を達成した。1軍通算1665試合の出場は全て外野だが、プロ19年目、41歳を迎える来季もチャレンジ精神は増すばかりだ。

現状、来季の一塁はマルテに加え、秋季練習で外野守備を特訓する大山、捕手から野手転向を目指す原口らが控える。今季初スタメンの5月7日DeNA戦から先発で3試合連続本塁打を放つなど、勝負強さを発揮したベテランが一塁参戦となれば、オーダー構成の幅が広がる。マルテや大山、原口らの闘志にも火をつけ、レベルアップの相乗効果も期待できそうだ。

矢野監督 俺は可能性を止めることはない。ベテランでも、今までやっていない一塁をやる気持ちがあるのであれば、それはみんなの手本になってくれるのかなと思う。

常に予想の斜め上を行く超人なら、本気かもしれない。向上心を忘れず挑戦を続け、V奪回を期す矢野虎の推進力になる。【中野椋】

◆糸井の守備位置 プロ18年間で、1軍公式戦で守ったのは外野のみ。合計1473試合で外野を守っている。最多は右翼961試合で、中堅516試合、左翼39試合(同一試合で複数ポジションを守る場合もあり)と続く。俊足と強肩を生かし、ゴールデングラブ賞を7度受賞。ベストナインにも5度選ばれた。03年ドラフト自由枠で日本ハム入りした際には、最速152キロの剛腕投手。イースタン・リーグでは1年目04年に4勝するなどしたが、1軍戦での登板はならず。06年開幕後の4月下旬に外野手への転向が決まった。

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