関東5連盟第2代表の神奈川大が慶大にサヨナラ負けを喫し、初の決勝進出を逃した。

4-4で迎えた9回裏、この回から登板した最速152キロ右腕・神野竜速(りゅうどう)投手(3年=西武台千葉)が、1死三塁から慶大・下山悠介内野手(3年=慶応)にサヨナラ2ラン本塁打を浴び、マウンド上で泣き崩れた。

サヨナラ負けも、春の大学王者を前に1歩も引かず粘り強く戦った。初回に先制されるも、2回には相手のミスに乗じて3点を挙げ逆転。4回には逆転を許したが、5回、2死満塁から相手投手の暴投で同点に追い付いた。

打線の粘りに、投手陣も応えた。同点に追いついてからの6回からは1年生の本田真也投手(相洋)が登板。力強い直球と、カットボール、スライダーを制球良く投げ込み、3回を投げ3安打無失点に抑え9回につなげた。本田は「任されたところを0点で抑えることがこの大会を通して、やってきたこと。0点で抑えられて良かった」と話した。

大舞台で成長を見せた。関東地区大学野球選手権の決勝、中央学院大戦では4回1死満塁の場面でマウンドに上がり、内角真っすぐを打たれ2失点した。この日は8回に1死満塁を招くと、「同じ満塁の場面。左打者への直球にこだわった」と、内角へ真っ向勝負。まずは直球で一ゴロ。続いて直球でカウントを整え、チェンジアップで中飛で打ち取り、ピンチを切り抜けた。「気後れすることなく投げられた結果、カウントを作れた。それは成長かと思います」と胸を張った。

岸川雄二監督(48)は「先制されても終盤まで粘り強く気を緩めず。これが今年の我々の戦いでもあった。選手たちは最後まで食らい付いてくれた」と敗戦にも選手たちをねぎらった。4年生を中心に、ベンチ、スタンドが一丸となって頂点を目指した。「こういう舞台で、あきらめずに戦えるチームを4年生が作ってくれた。活躍する場に立てた後輩たちは、その思いを伝えて引き継いでいって欲しい」。大舞台での経験を大きな財産に、来年、再び頂点を目指す。