この悔しさが来季への燃料になる。巨人平内龍太投手(23)が26日、都内の球団事務所で契約更改に臨んだ。150万円減の年俸1450万円でサインした。昨年、亜大から入団したドラフト1位右腕。1軍の即戦力としての働きを期待されたが、1軍では3試合にリリーフ登板も、防御率14・40で白星は挙げられなかった。「悔しさが一番大きいですかね。特に1軍では自分のピッチングができなかった」。理想と現実のギャップに直面した。

オフは単独自主トレで己と向き合う。課題は明確に感じている。「制球力。特にアウトコース、インコースに投げ分けができる力は必要になる」。来季には新人に加え、トミー・ジョン手術から復活を目指す山崎伊、堀田ら若手投手のライバルがひしめき合う。プロの厳しさは身に染みて感じている。「競争がある世界で、それに勝った選手が1軍でどんどん活躍していけると思う。そこは負けないように頑張っていきたい」と表情をグッと引き締めた。

収穫もある。1年間ケガなく走りきることができた。イースタン・リーグでは38試合に登板し、5勝4敗6セーブ、防御率3・13を記録した。先発は2試合にとどまったが、10月のみやざきフェニックス・リーグでは登板3試合でいずれも先発。同27日の西武戦では8者連続奪三振を記録するなど、ポテンシャルの高さを見せつけた。「(来季は)中継ぎが嫌とか嫌いとかそういうわけではなく、今は先発をやってみたいという率直な気持ち。来年はしっかり1軍の戦力になれるように。初勝利をまず目標に頑張っていきたい」。酸いも甘いも、全てを糧にして来季こそ、飛躍のシーズンにする。【小早川宗一郎】(金額は推定)