NPB(日本野球機構)・Jリーグが合同で開催する「第44回新型コロナウイルス対策連絡会議」が29日行われ、感染症の専門家から南アフリカなど複数の国で確認されている新変異種のオミクロン株に関する報告が行われた。

オミクロン株がテーマに上がるのは初めてで、世界各国の水際対策について説明した座長の東北医科薬科大・賀来満夫特任教授は「ワクチン接種をしても安心してはいけないのではないか」と、改めてマスク着用、手洗い、ソーシャルディスタンスの徹底を求めた。

また愛知医科大・三鴨広繁教授は「正体はわからない」とした上で、プロ野球・Jリーグともシーズンを乗り切ってきた経験を踏まえた上で「これまでと同じ対応をしていけば大きな問題にならないだろうと意見が一致したと思っている」と見通しを語った。

NPB斎藤惇コミッショナーは、すでに入場制限を解除しての来シーズン開幕を想定していることを明言している。会議後の会見で同コミッショナーは実証実験を行ったヤクルト-巨人のCSファイナルの神宮球場では、マスク着用率が高いレベルだった結果を示した。

国内の感染者が急減してきたタイミングでの新変異株の出現だが、東邦大・舘田一博教授は「来年はできるだけたくさんのお客さんに楽しんでらえるよう、これまでの経験を生かしながら、冷静に対応していくべきだ」と呼びかけた。