来季はくっきりと「160」を示す。ロッテ佐々木朗希投手(20)が1日までに、プロ2年目の今季を振り返った。5月16日に1軍で初登板し、同27日に初勝利。夏場から徐々にギアを上げ、11月にはCSで先発し159キロをマークした。底知れぬ能力を出し始めた要因に、ある2文字を挙げた。来季へ大きな期待を抱かせ、オフに入る。

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佐々木朗希が声を上げて笑う様子をよく見る1年間だった。19年4月に163キロを出した以前の、仲間の活躍1つに全身で喜んでいた頃と重なる。今の居場所に慣れた空気が伝わる。

積極的に先輩と接する。世代も立場も、国籍も関係ない。サヨナラ勝利では、落球失策で自身の白星を消したレアードに、笑いながら水をお見舞いした。マーティンやエチェバリア、ハーマンともよく話した。

「英語はほとんど単語だけで、スペイン語はどれがスペイン語かもあんまり分かんないです。そんな深い話はしないっすね。遊ばれてる感じで(笑い)」

高校時代もカナダ人講師と談笑する姿が目撃されている。自分のペースで少しずつ世界を広げてきた。

三陸から上京し2年。移動のバスに乗れば、都心は渋滞も多い。「楽しかったり大変だったり」。ストイックに鍛錬を重ねるが、1軍最年少でもある。疲れがないはずがない。やがてコロナ禍が落ち着き、1週間くらい時間があったらどこか行きたい場所もあるのだろうか。聞いてみたら「実家です。好きなので」。即答だった。【金子真仁】