巨人菅野智之投手(32)が、海外フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留することが4日、分かった。10月に海外FA権の取得条件を満たし、シーズン終了後に熟考を重ねたが、巨人で日本一を目指すことを決断した。

菅野 ジャイアンツのリーグ優勝、日本一に貢献することに全力を尽くしたい。その思いだけです。

昨オフ、ポスティングシステムでの大リーグ移籍を目指し、複数球団と交渉したが、合意に至らず、巨人に残留した。今オフも水面下では複数球団が動向を注視。FA権を行使すれば、獲得に名乗りを上げることも予想されたが、巨人でのプレーを選択した。

残留を決断した今、リーグ優勝と日本一奪回に闘志をたぎらせる。今季はコンディション不良で前半戦で計4度、出場選手登録を抹消。東京五輪も辞退したが、コンディションが向上した後半戦は10試合中7試合でクオリティースタート(QS、6回以上自責3以下)を達成し、復調を印象づけた。

エースの残留によって、2年ぶりのリーグ制覇に向けた強力な先発ローテが形成される。菅野を軸に、経験豊富な山口、今季11勝の高橋、同9勝の戸郷、残留が決定的なメルセデスら実績十分。来季2年目の山崎伊、同3年目の堀田ら若手が台頭すれば、ハイレベルな競争が生まれる。

「変われる勇気、変わらない信念」をポリシーとする。球種や投球フォームなど、毎年、新たなことに挑戦。9年間で107勝を積み上げ、沢村賞2度、最多勝3度、最優秀防御率4度、最多奪三振2度、最高勝率1度と数々の投手タイトルを獲得した。エースは来季、いかなる進化を遂げるのか。その先に、悲願の日本一の頂が見える。