東都大学野球連盟に、63年ぶりの新規加盟校が誕生する。

同連盟は5日、都内で会見を開き、帝京平成大が22年1月1日に加盟することを発表した。新規加盟は59年の立正大、国士舘大以来。これにより、同連盟は22校となった。

帝京平成大は今秋、千葉県大学野球リーグ2部で初優勝したが、1部との入れ替え戦を辞退して、東都へ移る。一番下の4部からのスタートとなる。河野和洋監督(46)は「東都入りという大きな夢がかないました。来春、4部からスタート。諦めない精神と突き進む勇気を持って、次なる夢は神宮球場で大きな声で校歌を歌うことです」と決意表明した。

河野監督は明徳義塾(高知)時代の92年、夏の甲子園で星稜(石川)と対戦。松井秀喜を5敬遠したことは社会問題にもなった。大学は、専大に進み活躍。卒業後、社会人、米・独立リーグ、国内のクラブチームなどでプレーを続け、19年2月から帝京平成大でコーチ。同年秋のリーグ戦後から指揮を執る。東都移籍が決まり、恩師の明徳義塾・馬淵監督からは「良かったね」と祝福された。

「私も専大で4年間、プレーしました。1勝すること、勝ち点をあげるのが厳しいリーグです。日々、精進してまいりたい」と、東都の厳しさは分かっている。それでも移籍を選んだ。発端は、2年前、帝京平成大の関係者との会話だった。「どうすれば学生たちが球場に足を運んでくれるか?」と議論になった。その際、河野監督は「東都リーグに行きましょう。東都なら、たくさんの応援に来てもらえる」とアイデアを語った。連盟の審査を経て、ついに実現した。

3年生の選手たちも、全員一致で賛成してくれた。「優勝したのに、入れ替え戦をさせてあげられなかった。4年生には申し訳ない」と卒業する部員たちを気遣いつつ、それでも、東都で戦っていく。1部昇格までの計画は「これからです」としながらも、神宮球場でプレーするチャンスが生まれる。さらに有望な選手の加入も期待できる。