今大会、打線好調のセガサミー(東京都)が4安打7得点で2年連続ベスト4進出を果たした。

相手のミスに攻め込んだ。1点を先制され迎えた3回、2四球と失策で満塁とすると、押し出し死球で同点に追いついた。さらに市根井隆成外野手(25=上武大)の中犠飛で勝ち越しに成功。なおも2死満塁、中川智裕内野手(24=近大)は2ストライクと追い込まれてから甘く入ったチェンジアップを捉え、左中間スタンドへ運んだ。「追い込まれると三振が多かった。この打席はしっかりコンタクトできてよかったです」。この回6点を挙げ、流れを一気に引き寄せた。

【関連記事】都市対抗野球、準々決勝詳細ライブスコア

中川は試合開始から「チャンスで回って来い」と、何度も心の中でつぶやいていた。初戦、チャンスで凡打。「次は絶対に打つ」と振り込みの数を増やし、この試合に備えた。予選後からグリップの位置を上げ、力まないフォームに改造。自信を持って、この打席に立ち、狙い通りのスイングで打球を運んだ。

今年はドラフト候補に挙がるも、指名漏れ。近大では阪神佐藤輝明内野手と三遊間を守った経験を持つ。「(佐藤輝の)活躍は自分にとってもプラスになっている。鼓舞された。来年に向けてアピールできると思うので、頑張っていきたいです」と力を込めた。

西田真二監督(61)は「四球につけこんで、宝くじというか、中川にホームランが出た。久しぶりにいいホームランでした。あの満塁ホームランが効きましたね」と笑みがこぼれた。

昨年はベスト4敗退。今年、チームは「今を超えろ 挑戦」をスローガンに掲げ、4強超えを課題に取り組んできた。西田監督は「ようやくここまできた。次の試合、選手たちの成長を楽しみにしています」と、期待した。