阪神岩貞祐太投手(30)が2021年度若林忠志賞を受賞し、7日に甲子園球場で授賞式が行われた。阪神タイガースが、11年度から設けた継続的に社会貢献活動やファンサービスに取り組み、野球人として優れた見識を持つ選手を表彰する制度。球団草創期のエースで、グラウンド外でも社会への高い貢献で知られた球団OBの故若林氏の意思を継承する思いを込め、命名された。

岩貞は熊本地震の「復興支援」と「子どもたちへの野球振興」を目的に、16年末に野球教室に参加。17年から、義援金と少年野球チームへの軟式ボールなどの寄贈を毎年継続して行ってきた。昨年までは勝利数に応じて1勝につき10万円の寄付、または相当金額分の野球道具寄贈だったが、今季は中継ぎに転向したため1ホールドにつき5万円の寄付、または相当金額分の野球道具を熊本県で活動する少年野球チームまたは少年野球を運営する団体へ寄贈することに変更していた。

この日は藤原オーナーから表彰状、記念盾、賞金と活動資金それぞれ100万円ずつを贈られた。さらにサプライズゲストで、熊本県の人気キャラクター、くまモンが来場。「これからもおうえんしてるモン」など感謝の思いを手書きした色紙を贈られた岩貞は「(姿を見て)ほっとしますね」とにっこり。「ヤクルトの村上選手が活躍しているから、最近はそっちばっかり…」と苦笑しながらヤキモチを焼き、くまモンは大慌てで飛び跳ねていた。

授賞式の最後は、岩貞のあいさつ。「熊本での地震が発生して以来、毎年、寄付をしてまいりましたが、元通りの生活というのは決して戻ってくるものではございませんが、それまで以上にいい生活、何不自由ない普段の生活を送れるように、また今後もこのような活動を継続していきたいと思います」と約束した。