DeNAが日本ハムから自由契約になっていた大田泰示外野手(31)と来季契約に合意したと14日、発表した。背番号は未定。推定年俸は5000万円。

DeNAが複数球団による争奪戦を制した。今季は6年ぶりの最下位に沈んだが、オフは選手、コーチに次々と積極投資。手薄だった右の外野手を補強し、1998年(平10)以来24年ぶりの優勝へ態勢を整えた。

今季の外野は右翼オースティン、中堅桑原将志、左翼佐野恵太がレギュラーを務めた。しかし、オースティンは故障が多く、欠場時に打線の迫力が激減した。層の薄さは否めなかった。大田はまだ31歳で、強肩を生かした守備にも定評があり、20年にはゴールデングラブ賞を受賞している。また、外野手では貴重な右打者で、通算75本塁打の長打力もある。

推定年俸1億3000万円で迎えた今季は3本塁打と精彩を欠いたが、球団は再生可能と判断した。日本ハムが保留手続きを行わない「ノンテンダー」とし自由契約となると、水面下で調査を進めてきた。

大田は11日に故郷広島で行われた「大田泰示杯 福山市中学生軟式野球大会」に参加した際、新天地を決める上で欠かせないものとして「チームを勝たせるために必要としてくれる、勝ちにつなげられる選手であり続けられるチーム」と話していた。「考えすぎてハゲそうだよ」と熟考する姿勢を示していたが、熱意を持った交渉が実った。

DeNAは今オフ、FA権を取得した宮崎敏郎内野手と6年契約を結び、山崎康晃投手、大和内野手の引き留めに成功した。内野手は楽天から藤田一也、救援では新外国人クリスキーを獲得した。石井琢朗氏、斎藤隆氏、鈴木尚典氏、相川亮二氏らOBコーチも招聘(しょうへい)し、チームの立て直しを進めてきた。

今季の得点数リーグ2位の打線に、地元神奈川の東海大相模出身の実績ある強打者が加わる。