“日本一の4番”になった。ヤクルト村上宗隆内野手(21)が都内で開催された「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」に出席し、セ・リーグの最優秀選手賞(MVP)を受賞した。

21歳での選出はセ・リーグ最年少記録。21歳以下の受賞は史上6人目で、野手では41年川上哲治(巨人)、94年イチロー(オリックス)に並ぶ快挙となった。パ・リーグMVPはオリックス山本由伸投手(23)、新人王はセが栗林良吏投手(25)、パは宮城大弥投手(20)が受賞した。

【関連記事】NPBアワーズ表彰一覧

また球史に名を刻んだ。村上は今季、史上最年少で通算100号を達成。打率2割7分8厘、39本塁打、112打点、初の本塁打王も獲得。チームを6年ぶりのリーグ優勝と20年ぶりの日本一に導いた。MVPを受賞した壇上では「最高のシーズンになった。僕を支えてくださったたくさんの方々に感謝したいと思います」と話した。

14日には自身2度目(三塁手としては初)のベストナインも受賞。表彰ずくめの1年となった。「優勝チームの4番になりたい」と意気込んだ開幕前。有言実行で、名実ともに、日本一の4番となった。「すごく光栄ですけど、これを続けることがすごく難しいことになるので続けられるように頑張ります」。余韻に浸らず、すぐに切り替えた。

「打てるものなら10割打ちたいし、毎打席ホームランを打ちたい。それを求めて僕たちは常にやっている」と表情を引き締める。史上最年少でのシーズン40号は、あと1本の壁に阻まれた。打率は2割7分8厘。打撃3部門すべてを狙う男にとっては物足りないものだった。「まだまだ進化するところばかりですし、もっとできると自分のことを信じている」。自身にプレッシャーをかけ続け、さらなる成長につなげる。

高津監督からも「こうなってほしい、こういう数字というのはたくさんある。毎年必ず成長してほしい」とハードルを上げられた。毎日1歩ずつ進み、計り知れない成長曲線を成長を描くために-。MVPを糧にしていく。【湯本勝大】

▼21歳の村上(ヤクルト)がMVPを受賞。MVPの最年少記録は37年春の沢村(巨人)と57年稲尾(西鉄)の20歳で、セ・リーグでは96年松井(巨人)の22歳を抜いて最年少。野手で21歳は41年川上(巨人)94年イチロー(オリックス)に並ぶプロ野球最年少タイ。今年のパ・リーグMVPは23歳の山本(オリックス)。両リーグとも23歳以下は96年の22歳松井と23歳イチロー以来2度目。

○…最優秀監督賞と正力賞に輝いたヤクルト高津監督は、チームのMVPに青木を挙げた。精神的支柱として、若手や外国人選手たちをまとめたことを評価。「数字的に本人が満足できるものではないだろうが、中心に立って引っ張ってくれた存在は大きかった」とたたえた。