“160キロとドラ1”をつかむ。北東北大学野球の青森大・長谷川稜佑投手(4年=足立学園)が、社会人野球のJFE東日本(千葉市)へ入社が内定したことが22日、分かった。最速155キロを誇る剛腕は、今秋のドラフト会議で悔しい指名漏れ。主将として臨んだ4年秋のリーグ戦はプレーオフに進出したが、優勝に届かず苦杯をなめた。悔しさをバネに、2年後のプロ入りと全国制覇に挑戦する。

全力投球で相手打線を封じる。19年都市対抗で初優勝。今冬は同8強入りしたJFE東日本入社が内定した長谷川は「1年目から試合で投げることは大切だと思うが、落合(成紀)監督に感謝の思いを持ちながら活躍してチームに貢献したい」と意気込んだ。自分の体を考えて大学時代は取り入れなかったウエートトレーニングを“解禁”。筋力、体力面の向上を目指す。

自身最後のリーグ戦は救援でチームを支えた。優勝を懸けたプレーオフ富士大戦では、5点差を追う6回から救援登板した。「チームに流れを引き寄せないといけない」。強い思いでマウンドに立ち、4回1安打7奪三振無失点と力投。試合は敗れたが、力強い直球と鋭い変化球で流れを断ち切り「自分が思い描く投球スタイルを確立できた。社会人でもこういう投球スタイルでやっていければ」と自信をつけた。

大学時代に先発と救援をどちらも経験、入社後の投球に生かす。「(今秋は)中継ぎの経験がなかったら、社会人で抑えを任されたときに気持ちの作り方や調整の仕方も一から学ばないといけなかった。青森大・三浦(忠吉)監督には感謝しています」。新たな舞台でも託された場所で期待に応える。

今秋のドラフト会議で指名漏れ。だが、落ち込んではいない。「(2年後に)ドラフト1位でプロにいくということをドラフト当日に言ったので、実現するためには1年目から主力として投げなければいけない」と熱を込めた。「(落合監督と)160キロを出してドラフト1位で(プロに)いこうという話をした」。北国・青森で成長した剛腕が、激戦区の関東でさらに磨きをかけて夢を実現する。