DeNA山崎康晃投手(29)が、先輩クローザーと再起を図る。新任の斎藤隆チーフ投手コーチと秋季トレーニングで対面。「個人的なことになりますが『もうひと花、ふた花咲かせたいんです』と、気持ちを強く伝えた」と話した。斎藤コーチからは「頑張っていこうよ、やり返していこうよ、持っているものは変わらないし、収めてきた成績もリスペクトしている」と激励されたという。

山崎は今季、60試合に登板し、3勝2敗1セーブ27ホールド、防御率3・27だった。中盤まではセットアッパーを務めた。終盤に抑えに返り咲いたが、セーブ失敗が続いた。来季もクローザー復帰への思いを抱くが「結局判断するのはベンチサイドですから。僕がいくらやりたいやりたいと言っても、結果が出なければ当然、そこのポジションには戻れないと思います。それがプロ野球だと思っている」。来季は順当なら海外FA権を取得する。横浜、ドジャースと日米で抑えを務めた斎藤コーチに結果でアピールしていく。

巻き返しの手段は、今年と違うアプローチとなる。今季は新たな球種で投球の幅を広げた。「初めてツーシームとスプリットを分けてみた」と明かした。また「縦割れのスライダー、カーブを投げた。いろんなことを試行錯誤してやった結果、前半戦に関しては非常にチームの力になれたなと思っている。後半ちょっと疲れとか気持ちの動揺もありましたし、思うような成績を収められなかったと、僕が一番痛感している」。来季は「球種を増やすことはあまり考えていない。クオリティーを全体的に底上げしたい」。特に直球を磨き直し、強さを取り戻すつもりだ。

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発奮材料がある。7年前、自らのドラフト時に担当だった武居邦生スカウト(65)が今年限りでDeNAを退団した。「僕ら家族は本当に救われたという気持ちが一番。愛情を持って接していただける、ちょっとしたお父さんじゃないですけど、そんな感覚でもあり」という存在だった。亜大4年のドラフト後、山崎は教職免許取得のため教育実習を行った。練習量が落ちている中、一緒にランニングに付き合ってもらった。「選手とスカウトという間柄以上の関係を築いたつもり。僕の中ではずっと恩人。武居さんが喜んでくれる成績をこれからも残していきたいし、もっと進化しないといけない。いい報告ができるように頑張っていきたい」。多くを背負って、8年目に向かう。【斎藤直樹】