日本の巧打者も米大リーグ流のフライボール革命に取り組む。20年の首位打者、DeNA佐野恵太外野手(27)は「打撃フォームは核となる部分は変えるつもりないのですが、1回見直そうかなと思っている。打球にいい角度がつくような打ち方には挑戦してみたい」。2年連続3割打者が、今季はボールの下を打つイメージを描いている。

理由は2つある。1つは「ホームグラウンドは横浜スタジアムなので、うまくいけば、もっといい数字が残せるかな」。両翼94メートルは12球団最少サイズ。フェンスは5メートルと高いが打球が上がれば本塁打になりやすい。また、昨季はヤクルトを中心に内野手が全員右に寄る極端な守備シフトを敷かれた。「内野を越えればシフトは関係ないという言葉を耳にすることもある」。ライナーやフライで外野まで飛ばせば、佐野シフトを気にする必要もない。

フライボール革命は今や世界の潮流だ。DeNAの先輩筒香がパイレーツで活躍し、同学年の広島鈴木誠也もポスティングで渡米予定。佐野もメジャーに行きたいかと問われると「そうですね。はい。まあ。ぐらいにしておきましょうか」と言葉を選びながら、初めて言及した。その前に、23年のWBCに向けて日本代表入りを目指す。「日の丸を背負ってプレーしたい思いはある。シーズンしっかり活躍することが一番の道だと思う」。打撃の成長が世界へ通ずる道を切り開く。【斎藤直樹】