シゴキ上等です! 阪神佐藤輝明外野手(22)が、井上一樹ヘッドコーチ(50)の猛ゲキを受けて立つ意気込みを明かした。9日、同期の中野らとともに、兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場での自主トレに初見参。視察に訪れていた井上ヘッドから、2月の沖縄・宜野座キャンプでの早出特守など、スパルタ特訓を予告された。昨季終盤、体力不足もあって大失速した苦い教訓を胸にパワーアップを期す。

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鳴尾浜球場の左翼付近。自主トレで訪れた佐藤輝が、井上ヘッドコーチのもとへ新年のあいさつに訪れた。そのまま身ぶり手ぶりを交えた野球トークに発展。予告されたのは、2月の宜野座キャンプでのスパルタ特訓だった。「去年はお客さんみたいな扱いをしたところがあったけど、わかってんだろ? 去年の後半、あんだけバテて体力がないことが実証されたやろっ! (中野と)2人は俺は厳しくいくぞ!」。

昨季は前半戦だけで20発を放つ規格外の活躍を見せたが、後半戦は4本塁打。59打席連続無安打の野手ワースト記録を更新するなど、大失速でシーズンを終えた。6日に新年のあいさつで大阪市北区の日刊スポーツ新聞社を訪れた谷本球団副社長も分析する「完全な体力不足」が不調の一因だった。ノーモア、息切れ。新人の昨年はキャンプメニューも配慮したが、今年は1年間戦う体力をつけるべく、手加減なしで徹底的に鍛え上げるというものだ。

もちろん佐藤輝もスパルタキャンプは望むところだ。井上ヘッドのゲキを受け「頑張ろうと思います」と表情を引き締めた。今季から外野に加え、「両方頑張りたい」と意気込む三塁で、1年目は行われなかった早出特守も解禁される見込みだ。井上ヘッドは「彼が三塁練習をガンガン(周りに)見せつければ、他の内野陣も刺激を受ける。相乗効果を考えればウエルカム」とニヤリ。「下半身強化を考えたら、内野ノックとかも去年はほぼほぼやらなかったけど、今年は多めにやらせるのもありかな」と徹底的にシゴく方針だ。

失速のもうひとつの一因で、昨季終盤に痛めた左膝も順調に回復。この日はキャッチボール、ランニングのほか、三塁ノックを受けるなど汗を流した。患部については「ほぼほぼいけるところまできています」とし、フルスイングでの打撃練習も「1月中にしていきたい」と気合十分。100%万全の体調で宜野座に乗り込む調整を進めている。

セ界制覇と日本一に、若き大砲の復活は必要不可欠。“モーレツしごき教室”でパワーアップしたニュー佐藤輝が、真価発揮のシーズンでファンを喜ばせる。【古財稜明】

○…井上ヘッドコーチは元中日監督の落合氏の言葉に発奮した。現役時代に仕えた指揮官が、昨年末に民放ラジオに出演。優勝を逃した阪神について「体力不足」と断言し、「キャンプは貯金をつくるところ、それを一番知っているのは井上一樹」と続けた。同ヘッドは「ドキッとした。キャンプはそういったところをつくり上げるところが根底にないといけない。再確認させてもらった」とうなずいた。落合氏は生出演した9日の人気情報番組「サンデーモーニング」でも佐藤輝について「体力不足でしょう」とスタミナ面を課題に挙げた。