進め、輝の道!! 関西学生野球の近大が11日、奈良・生駒市内の同校で始動し、今秋ドラフト候補の左腕コンビ、大石晨慈(しんじ)投手(3年=近大付)と久保玲司投手(3年=関大北陽)が新年の誓いを立てた。最速150キロの大石は言う。

「勝負の年。ドラフト1位でプロに行く。チームとして日本一を取る。おととし佐藤さんもいて。身近にプロを感じる環境がある」

発奮材料は虎の若きスラッガーだ。近大の2学年先輩は昨季126試合出場で球団新人最多の24本塁打。大石は佐藤輝明と歩んだ日々を思い出す。「結果が出ていない中でも終盤の大事な場面で打って切り替えができていた選手。うまくいくことだけじゃないし、自分もうまく切り替えられる投球をしたい」。先輩の勇姿を自らの将来と重ねる。

最速151キロの久保も佐藤と濃い時間を過ごした。1年時、寮の風呂で佐藤輝と居合わせた。湯けむりの中「その体じゃあかんな」と言われ、171センチの久保は助言を受けた。「サプリメントはいいぞと話していただいたり。本当にスゴイと。そういう姿を見て、僕もプロに行きたいと思った」。昨秋、久保は左肩痛で離脱した。「リーグ戦を投げ通せる体をつくるのが大事」と語気を強めた。

リーグ最多47回の優勝を誇るが昨年は春3位、秋5位。田中秀昌監督(64)も「投手陣が課題」と2人に期待する。大石が「本気でこの1年(プロを)目指さないといけない。155キロを出したい」と言えば、久保も「野球人生で一番、大事な年になる」と気合。名門の両輪として逆襲のシーズンに挑む。【酒井俊作】