巨人原辰徳監督(63)が11日、客員教授を務める国際武道大で2年ぶり17回目の講義を行った。新型コロナ禍を考慮して千葉・勝浦市の同大を訪れることは取りやめとなったが、原監督らしい1つの提案。「よろしければリモートでもちゃんと協力させてください」ということで実現した。

新型コロナの感染再拡大により、窮屈な日常生活が続く。大学生なら授業はもちろん、部活動やサークル活動、仲間と語り合う時間など、“青春”の日々を満足に送れない日々が続く。無念さや悔しさは画面越しからでも理解できた。そのうえで、思いを伝えた。

原監督 流されたりギブアップしないことだよね。どういう状況でも前を向く。1歩ずつ進む。前向きにいけば仮に結果が悪くても必ずいい経験、いい糧としてつながるよ、と。だから頑張ろうね、ギブアップするな、こういう状況でもやれることを探そうじゃないか、ということですよね。

巨人で歴代最長の監督通算16年目。晴れの年も曇りの年も、常に「挑戦」と後ろは振り返らなかった。昨季3位からの逆襲を期す今季のスローガンを「不屈」と定めた指揮官は「コロナだって、世の中の人は『(終息は)まだ?』みたいな、ね。でも、そこは闘わなきゃいけないよね。不屈よ!」と力を込めた。「行けないなら中止でも仕方ない」で諦めず実現させたリモート講義で、コロナ禍だからこそ大切にしたい信念を届けた。【浜本卓也】