沢村賞右腕のオリックス山本由伸投手(23)が日本一に向かって動きだした。年始からトレーニングを続け、11日は大阪・舞洲の球団施設でキャッチボールやダッシュなどで汗を流した。目標を聞かれ「日本一ですね。去年(日本シリーズで)最後に負けたので、次は勝ちたいです」ときっぱり。昨季は15連勝を記録し18勝5敗、防御率1・39、206奪三振で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、勝率第1位。4完封勝利を加えて史上8人目の“投手5冠”に輝いても、「去年の自分より良い成績を出したい」と慢心はない。

昨夏は東京五輪金メダル獲得にも貢献。11月末までグラウンドに立ち続けた。疲労感については「多分、大丈夫。メディカルチェックの結果も良かった。不安なところはなく、しっかり練習できています」と笑顔で答えた。

この日は新人王の20歳左腕の宮城と対面。昨季の山本は「防御率を抜いたら口を利かない」と宮城をかわいがりながら? 競い合った。その宮城の目標が1項目でも山本の数字を上回ることだと伝え知ると「僕の方が2倍練習しているんで無理です!」と即座にジョークをさく裂させた。

昨季は勝ち星と防御率、勝率で1、2位を飾った2人。山本は「チームが良い順位に行くのが一番。お互いに結果が出るのが良い」と切磋琢磨(せっさたくま)を誓った。【真柴健】