ソフトバンク和田毅投手(40)が13日、長崎市内で自主トレを公開し日米通算200勝とNPB通算2000投球回のダブル偉業を目標に定めた。現在は日米通算148勝、NPB通算1892回1/3。大台到達へ残り52勝、107回2/3と迫っており、200勝を達成すれば「松坂世代」では初の名球会入りの条件を満たす。

金字塔を目指すきっかけは、年始のテレビ番組だった。盟友の元西武松坂大輔氏、元阪神の藤川球児氏と共演し、3人でキャッチボール。松坂氏からは「あと52勝!」、藤川氏からは「2000投球回待ってます!」と書かれたボールを受け取った。「大輔らしいなというか。大輔の170(勝)という数字もとてつもない数字なのに、それ飛び越えて200だったので、ビックリしました」と目を丸くした。

だが、すぐに2人の思いを受け止めた。「今年いい結果を残せれば、また来季も契約してもらえる可能性がある。年々繰り返していければ、大輔が掲げてくれた目標に近づけていけると思う。2000という数字も通過点と言えるように、結果を出したいと思います」と2人の期待を力にする。残る「松坂世代」は、関西独立リーグの兵庫でプレーする久保康友投手(41)がいるが、NPBでは和田が最後の現役選手。名球会入りを果たし、球史に「松坂世代」の名を刻む。

この日は入念なアップと、和田の自主トレではおなじみの坂道ダッシュなどで汗を流した。「基礎的なものをしっかりと今の間にやっておかないと。1年戦う上で大事なところになってくる。徹底的にやりたい」と抜かりがない。「自分には甘えないように、常にみんなと同じように投げられる準備をして、1年間戦えたらと思っています」。不惑を超える和田の目の色が、変わった。【只松憲】