阪神藤川球児スペシャルアシスタント(SA、41)がラストイヤーとなる矢野阪神に太鼓判を押した。

3日、沖縄・宜野座キャンプの3日間の視察を終え、取材対応。感想を聞かれ、力強く言い切った。「全員のレベルが非常に高い。12球団で一番だと思います。モチベーションも非常に高い。ダントツでしょうね。ズバ抜けている」。

現職2年目。俯瞰(ふかん)的な視野に加え、ブルペンを中心に「中」に目を凝らした。この日は復活を目指す藤浪と会話を交わすなど、チームと個人の現状把握に努めた。その上で賛辞を並べた。

「新しい伝統というか、黄金期に入ろうとしている。秋山、青柳、(藤浪)晋太郎とか酸いも甘いも経験している選手がまだまだ歩みを止めてない。ルーキーも背中を追いかけやすい。完璧な組織の構図かなと思いますね」

その構図を作り上げたのは今季限りで退任する矢野監督だ。現役時代にバッテリーを組み、存在の大きさを知る。「人のいいところを見つけられる、成熟した人。その人を今年で失うってことは非常に大きな財産を失うこと。選手たちの成長を見れば、どれだけのものを残してくれたかは簡単に分かりますから」。藤川氏は信頼する指揮官の決断を惜しみ、フロントの一員として継承を誓った。

セーブ王のスアレスが抜けたのは確かに大痛手だ。それでも「延長12回制になって、水を得た魚のように働きますから。スアレスもいないから、よし、俺に来るんちゃうかとなる」。今の矢野阪神なら競争原理が働き、逆にプラスになると断言した

隠れた逸材にも目をつけたが「本当に書いてほしくない。戦略的に。勝ちたいからね」。リーグ制覇した05年には、必勝リレー「JFK」の一角として藤川氏の大ブレークがあった。同じような若手の台頭を予感している。【柏原誠】