ロッテの選手たちを乗せたバスが球場に到着した。入り口へ歩く列に、1人だけ荷物の多い選手がいる。バットケースの数字は「13」。平沢大河内野手(24)がこの日、A組(1軍)に合流した。

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「徐々に強度を上げていって、万全の状態で呼んでもらったので、しっかりアピールしていきたいなと思っています」

石垣島キャンプはA組スタートが決まっていた。しかし、直前に新型コロナ陽性判定が。ここ2年間1軍出場がない上での、プロ7年目。今年も苦しい1年になるのか-。

だからこそ「気持ち的にもだいぶ楽になった」とホッとした。3回に代走で出場すると、4回2死三塁で打席が。オリックスのアンダースロー中川颯の直球を、ひと振りで中前に軽やかに運んだ。

その後の打席でも粘って四球を奪い、遊撃守備では2併殺に絡むなど、実戦感覚を取り戻す多くの機会に恵まれた。

昨年の秋季練習以降、井口資仁監督(47)が平沢の名を口にすることが増えた。この日も二塁手の代走として起用した後、平沢には本職の遊撃を守らせた。期待は大きい。

一方で戦いは厳しい。遊撃は藤岡とエチェバリアが昨季から争いを続け、そこに三塁の安田も絡む。二塁と三塁を守れるルーキー池田も猛アピールを続ける。井口監督によると、エチェバリアの1軍合流は3月8日のオープン戦日本ハム戦(鎌ケ谷)が1つの目安になりそうだ。

「そこまでの競争じゃないですかね。どんどんふるいにかけられていくので、若い選手は特に」。

あと10試合もすれば、いよいよフルメンバーでの準備に入る。誰が残るか、誰も残れないのか。遅ればせながら、サバイバルに加わる。【金子真仁】