2月1日からスタートした12球団のキャンプも実質的に終了し、26日からいよいよオープン戦がスタートする。キャンプでアピールに成功し、シーズンでのブレークが期待されるニュースター候補は誰か? 日刊スポーツ各球団担当記者のイチオシ選手、パ・リーグ編をお届けする。

【イチオシ選手セ編】阪神3位桐敷拓馬は開幕ローテ候補「もう通用」ブルペン段階で矢野監督絶賛

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◆オリックス中川颯投手(23=2年目) 大卒2年目のサブマリン右腕は昨季は1軍登板1試合ながら、2軍では41試合に登板して2勝2敗1セーブ、防御率1・13と結果を残していた。今季は「1軍での登板機会を増やしたい。目の前の試合に集中しています」と目標を掲げる。今キャンプは同学年のエース山本のキャッチボール相手を務めるなど、同世代で切磋琢磨(せっさたくま)している。

◆ロッテ本前郁也投手(24=3年目) 先発枠に食い込む可能性がある道産子左腕。読みは「もとまえ」。19年育成ドラフト1位で北翔大から入団し、昨春に支配下登録を勝ち取った。パワーロスの少ないフォームからの直球は手元で差し込める球質で、初対戦の打者には自分のスイングをさせないこともある。昨季より制球力も向上。派手さはないものの淡々とアウトを重ねられる。昨季1勝から今季、大きく伸びる可能性を秘める。

◆楽天和田恋外野手(26=9年目) 練習試合で猛アピールを続ける。これまで7試合で3本塁打。主に4番で起用され、首脳陣の期待に応えている。長打力が目立ったが、24日巨人戦(那覇)ではチャンスで右前適時打。勝負強さも生まれてきた。高卒9年目の26歳。今季は「使っていただいているうちに結果を出して、いい印象を持ってもらえるように打つだけだなと思うので、結果にこだわっていきたい」と闘志を燃やす。

◆ソフトバンク田中正義投手(27=6年目) ようやく開花の時を迎えようとしている。宮崎キャンプの実戦は、3試合で計7イニング1失点。22日の西武戦では2回完全投球を披露し、藤本監督も「合格です」と手をたたいた。千賀、石川、東浜、和田に次ぐ開幕ローテーション入りへ1歩リードか。新たにオーダーメードしたゴーグルを着用し、視界も良好。5球団が競合した16年ドラ1右腕が、待望のプロ初勝利を本気でつかみにいく。

◆日本ハム郡拓也捕手(23=6年目) 新庄殿の申し子となりそうだ。パンチ力のある打撃でアピール中で、BIGBOSSも「彼、ノリノリなんで」とイチオシだ。捕手登録だが昨季までに2軍で内外野も練習を重ねてきた郡は「去年からシャッフルされていたので」とサプライズ采配にも対応済み。野球を楽しみながら、仲間を大きな声で盛り上げる超ユーティリティープレーヤーのノリノリ郡に注目だ。

◆西武鈴木将平外野手(23=6年目) 平石打撃コーチから「多少左肩が下がってもいいからきちんといい軌道でスイングできるように」と指導を受け、実戦でもいい形で振れるようになった。鋭くなった打球は、しっかり野手の間を抜けるようになった。昨季はファームで規定には未到達ながら、54試合で打率3割3分3厘をマーク。一皮むけて外野のレギュラーをつかむ可能性を感じさせる。