2月1日からスタートした12球団のキャンプも実質的に終了し、26日からいよいよオープン戦がスタートする。キャンプでアピールに成功し、シーズンでのブレークが期待されるニュースター候補は誰か? 日刊スポーツ各球団担当記者のイチオシ選手、セ・リーグ編をお届けする。

【パ・イチオシ選手】「彼ノリノリ」ビッグボスも推す日本ハム郡拓也、超ユーティリティー男

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◆ヤクルト大西広樹投手(24=3年目) 臨時コーチを務めた古田敦也氏からキャンプ序盤の“MVP”に選ばれた右腕が、リリーフ陣に厚みをもたらす。マクガフ、清水、石山、今野ら駒がそろうが、延長12回制の今季はさらなる充実が不可欠。「今年はコンディションも整っています」と自信を見せる。8日にはアップ中のBGMとして爆風スランプの「Runner」を大熱唱。次はマウンドで喝采を浴びる。

◆阪神桐敷拓馬投手(22=1年目) ドラフト3位左腕は新人ながら開幕ローテ候補に挙がる。最速150キロの直球とスライダー、フォーク、ツーシームなどを武器に、右左問わず内角にズバズバ投げ込む投球スタイル。学生時代に完全試合を達成した経験を持ち、安定感抜群だ。初実戦に臨む前のブルペンでの投球練習の段階で矢野監督から「もう通用する」と絶賛された。投げるたびに首脳陣の評価を上げている。

◆巨人中山礼都内野手(19=2年目) 若武者がレギュラー獲得に燃えている。巧みなバットコントロールと積極性を武器に、坂本のいる遊撃、吉川、広岡、北村らがひしめく二塁のポジションを狙う。昨年、2軍戦で打率3割9厘を記録したヒットメーカーは、今キャンプでも紅白戦から実戦4試合連続安打を記録。好スタートを切った。攻撃的な走塁、守備でも猛アピールし、新たな風を吹き込む。

◆広島床田寛樹投手(26=6年目) 昨年までスロースターターの印象が強く、ここ2年はシーズン5勝どまり。今年は殻を破ろうと、例年以上に練習の強度を上げ、調整のペースも速い。球の切れ、制球ともに順調な仕上がり。19日巨人戦を含め実戦2試合で5回無失点。「左投手をしっかり引っ張っていけるように」。米大リーグ移籍する鈴木誠と同学年が、先発の1人から、左のエースに名乗りを上げる。

◆中日高橋宏斗投手(19=2年目) 昨季は1軍登板なしだったが、急成長。11日の紅白戦では打者6人をパーフェクトに抑え、19日DeNAとの練習試合(北谷)では3回2安打無失点で自己最速にあと2キロに迫る153キロを計測した。立浪監督も「いま、先発で一番力のある球を投げるので期待している」と高評価。中京大中京では超高校級右腕と騒がれた。20年ドラフト1位が赤丸急上昇中だ。

◆DeNA森敬斗内野手(20=3年目) 「新番長野球」の申し子になれるか。今季、攻撃陣はチーム打撃、走塁面では1つ先の塁を狙いにいく意識を徹底。50メートル5秒8で、小技もパンチ力も兼ね備える森の存在はカギを握る。大和、柴田らと遊撃のレギュラー争いを繰り広げ、石井野手総合コーチは「実戦タイプで使うほど味が出る。十分アイドル性はあるので、試合に出るようになれば人気は出てくる」と期待する。