日本ハム今川優馬外野手(25)が27日、オープン戦チーム1号となる特大2ランを放ち、新庄BIGBOSSにオープン戦初勝利をプレゼントした。

広島戦(名護)の4回2死三塁、左翼防球ネットを直撃する推定135メートル弾。臨時コーチを務めたスポーツ庁の室伏広治長官(47)に感謝の豪快弾は、弟天馬さんの誕生日を祝う記念のアーチにもなった。6人兄弟の長男はレギュラー奪取を掲げ、2年目のシーズンに挑む。

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狙いは「本塁打」の1択-。今川が、特大アーチに覚悟を込めた。4回2死三塁。会心の一撃が左翼防球ネット上部に直撃した。豪快に、オープン戦のチーム1号を飾った。新庄監督から「完璧だった?」と聞かれると、「完璧でした!」と即答。「あれは気持ち良かったよな」とビッグボスを笑顔にさせる、爽快な1発だった。

推定飛距離は135メートル。「あの飛距離は、室伏長官のおかげだと思っています」と感謝した。24日、さまざまな分野のスペシャリスト集団“新庄殿の8人”として訪れたスポーツ庁の室伏長官から、長打力を磨くこつを教わった。

「(体の)中心部分で回旋して、速い回転で打つ」 教えを染み込ませるため、毎晩の夜間練習に取り入れた。「みんなでレギュラー勝ち取ろう」を合言葉に、昨年11月の秋季キャンプから、郡、野村、万波、細川の5人で夜間練習を継続してきた。「僕がシングルヒットを打っても、あまり価値はない。長打を打ってこその選手」というが、持ち味を実戦で結実させた。

チームのオープン戦初勝利となったこの日は、実は今川にとっても特別な日だった。弟天馬さんの20歳の誕生日。「今日は何とか弟にいいところ見せたかったので、打てて良かったです。あとでビデオ電話で報告したい」。6人兄弟の長男として、最高のプレゼントにもなった。

レギュラー奪取を自らに厳命し、2年目のシーズンに挑む。「とにかく長打にこだわって。あとはチャンスで勝負強いバッティングができれば」。悲願に向かって、本塁打を狙い続ける。【田中彩友美】

○…今川は本塁打後、チームメートに迎えられながら右人さし指を立て「執念!」と絶叫した。後輩から「執念先輩」と呼ばれるほど、代名詞となったパフォーマンスだ。球場アナウンスで「5番左翼」でスタメンだと知りスイッチオン。「このオープン戦に懸ける思いはすごく、誰よりも強いと思っている。早く結果を残して、今年はレギュラーを取るんだという強い気持ちです」。あふれる気迫が生んだ1発だった。