阪神矢野燿大監督(53)は2日、新守護神候補のカイル・ケラー投手(28=パイレーツ)が25日の開幕に間に合う可能性があると明かした。政府が1日から新規入国者の規制を緩和しており、条件を満たせば待機期間も免除や短縮となる。近日中に来日し、早期チーム合流で力を発揮すれば、不安の残るブルペン陣に大きな柱が加わる。矢野監督ラストイヤーの開幕ダッシュへ光が見えてきた。

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甲子園球場に戻った矢野監督は、全体練習後、新外国人の来日時期に言及した。「そんなに長い時間はかかることはない」と近日中であると示唆し、「ケラーは(開幕に)間に合う可能性がある。様子を見てだが、間に合わないことはない」と明るい見通しを示した。新型コロナウイルス感染拡大による入国制限が緩和されたことが追い風となった。入国後7日間の待機期間も、ワクチン3回接種などの条件を満たせば免除や3日間に短縮。従来よりもチーム合流は早まる。

157キロ右腕が開幕から合流できれば大きい。2年連続セーブ王の絶対的守護神スアレスがパドレスに移籍し、抜けた穴はあいたまま。同じく守護神候補の岩崎は1月下旬に新型コロナ陽性になった影響もあり、スロー調整中だ。キャンプで台頭を期待した湯浅、小野、小川ら若手は伸び悩み、馬場、岩貞も本調子を欠く。2軍には実績のある小林、斎藤らもいるが、高知・安芸キャンプは選手8人が新型コロナ陽性となり、終盤は練習が中止になるなど調整が遅れている。指揮官は「中継ぎ以降の投手を何とか見える形でシーズンに入っていきたい」と話した。先発に挑戦していた及川を中継ぎに回し、前ソフトバンクで育成の変則サイド左腕渡辺にチャンスを与えるなど、残されたオープン戦13試合でブルペン陣の整備が急務となっている。

ケラーの米国での自主トレ映像を定期的に見て、状態の良さは確認している。先発タイプのアーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)は実戦を重ねるにも、登板間隔を空ける必要はある。だが、昨季もパイレーツの中継ぎとして32試合に登板したケラーは、短いイニングを投げて状態を上げていけばいい。矢野監督は「来たらそんなに時間がかからず実戦ができる。楽しみ」と、1日も早い合流を待ち望んだ。【石橋隆雄】

◆カイル・ケラー 1993年4月28日生まれ、米国ルイジアナ州出身。サウスイースタン・ルイジアナ大から15年ドラフト18巡目でマーリンズと契約。19年にメジャー昇格。メジャー通算44試合はすべて救援登板で1勝1敗、防御率5・83。背番号42。今季推定年俸は約1億2100万円。193センチ、86キロ。右投げ右打ち。