新庄チルドレンの競争が激しくなってきた。日本ハム今川優馬外野手(25)が、オープン戦出場2試合連続となる3号3ランを放った。広島戦(マツダスタジアム)の9回2死一、二塁で左翼への1発。刺激を受けたのは、オープン戦4本塁打で12球団トップタイの万波中正外野手(21)。ともに夜間練習で汗を流した仲間の活躍に発奮し、ハイレベルな若手外野手争いを繰り広げている。

【ニッカン式スコア】広島ー日本ハム 詳細スコア

本塁打の予感漂う打席で、今川がはじけた。4点を追う9回2死一、二塁。2球目の直球をファウルも、タイミングが合っていたことに自信は深まった。「根拠はないんですけど(ヤマを)張っていた中で、なんか打てそうな感じはしました。ゾーンに入っていました」。心の中で「集中して、集中して」と繰り返し、カウント2-2から左越え3ラン。「本当に、執念を絞り出しました」と代名詞である「執念」の限り、かっ飛ばした。

仲間であり、ライバルの存在に背中を押された。6日の巨人戦に続き、自身はオープン戦出場2戦連発となる第3号だが、どこか渋い顔には「負けられない」という万波の存在がある。ここまで12球団トップの4本塁打、10打点。新庄BIGBOSSが作り上げることを目指す、スター7選手のうちの1人に“認定”された。今川は「年下ですけど尊敬できる。一緒にレギュラーを取りたい」と背中を追いかけている。

前カード、万波の大活躍の裏で、今川は2軍の教育リーグに出場していた。「2本打たれたので…チクショー!」と悔しさ全開に、発奮した。昨秋や今年2月のキャンプでは、欠かさず夜間練習を行っていた2人。「僕らは結果を出さないといけない立場。一緒に高め合って、一緒にファイターズを盛り上げたいと思います」と共闘を誓った。

2年目で目指すは、悲願の開幕レギュラーの座。「どんどん、どんどん打ってビッグボスにアピールして、開幕スタメンを勝ち取りたいです」。新庄監督の下、思い切り花開かせるときが来た。【田中彩友美】