広島が土壇場の逆転勝利で、3連覇した18年以来の開幕3連勝となった。3戦連続2桁得点はならなかったが、18年以来の開幕から3戦連続2桁安打。開幕前に不安視された得点力低下をかき消すような攻撃力で、2度のビハインドをひっくり返した。

【ニッカン式スコア】27日のDeNA-広島戦詳細スコア

9回2死満塁から西川龍馬外野手が決めた。DeNA守護神山崎を追い詰めた最終局面でも、冷静だった。「真っすぐは捨てていった。どこかでツーシームで誘ってくるなと」。2球真っすぐを見逃した3球目、狙った得意球を捉えた。ライナーで伸びた打球は前進守備の中堅手の頭上を越え、走者一掃の決勝三塁打となった。

クールなバットマンが滑り込んだ勢いのまま腕を突き出した先の広島ベンチでは、全員が総立ちで喜びを爆発させた。全員でつかんだ開幕3連勝だった。4回まで無安打も、2点を追う5回は4連打を含む5安打の集中攻撃で4点。9回も2死二塁から上本が二塁内野安打でつなぎ、長野は際どい球を見極めた。西川は「完全にあれは流れで打った感じです」とチームメートに感謝した。メジャー移籍の鈴木の穴、外国人野手不在を感じさせない全員攻撃で、好発進を決めた。【前原淳】

▽広島佐々岡監督(逆転で開幕3連勝) この3連戦、2死から点を取れている。つないで、つないでという意識がこういう結果になっていると思う。いやぁ、素晴らしいですね。

○…3戦連続スタメンの上本が20年8月21日巨人戦以来の猛打賞で期待に応えた。まずは2点を追う5回2死一、二塁で左越えの適時二塁打。7回は左前打を放ち、9回2死二塁では二塁内野安打で西川の決勝打につなげた。「後ろにつなぐ意識しかないんですけど、打ちにいくと決めた球は打ちにいこうと打席に立っています」。前日までは中堅、この日は三塁でスタメン出場するなど、攻守でマルチに貢献している。

 

○…今季初先発の遠藤は4回4安打4奪三振2失点だった。3回1死から投手坂本に許した中前打を起点に3連打を浴び、2点を失った。「チームが勝ったのが一番。(去年)1年間悔しい思いをした。その思いをぶつけるために1年間全力で戦い抜きたい」。昨季は登板2試合止まり。2年ぶりの開幕ローテーションに入った右腕が、次回初勝利を期した。