パーフェクトでも、さらに磨きをかける。10日のオリックス戦(ZOZOマリン)でプロ野球史上16人目となる完全試合を果たしたロッテ佐々木朗希投手(20)は11日、同球場で練習した。

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終始、リラックスした様子だったが、あらためてシーズンを通した活躍を誓った。100球を切っての完投にも手応えをにじませた。

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日付が変わるまで、佐々木朗は偉業達成の喜びに浸った。家族からも含め「今までで一番」という数のお祝いメッセージが届いた。試合後は「あまり実感はない」と漏らしたが、温かい言葉の数々を読むうちに少しずつ実感が湧いた。「次に向けて切り替えないといけないですけど、昨日はかみしめながら夜を過ごしました」と打ち明けた。いつもより心が高ぶり、真夜中0時まで寝付けなかった。

だが、やはり「次に向けて」を真っ先に置く。文字どおり完全な投球をしても、いつもと変わらず映像を見返した。「後から見た方が逆に緊張したりとか、ありました」と笑いを誘ったが、さらに磨きをかける糸口も感じている。完全試合は105球で達成。「上出来かなと思います」と言ったが、100球以内の完投への手応えを問われると「早いカウントで前に飛んでくれたりすれば、もっと楽になる」と答えた。

追い込んでからも遊び球なしで19奪三振。ただ、1球で打ち取れれば球数を減らせる。そうすれば、シーズンを通した活躍がより可能となる。「そこまで三振を取らない方がいいというのもないので。抑えることが一番。その時の結果に応じて何でもいいです」と、あくまで点を与えず勝ちにつなげるのが最優先。ただ、三振の山に打たせて取る投球を織り交ぜれば、100球未満の完封「マダックス」も十分可能となる。

この日は、石川、二木、美馬と本拠地で汗を流した。1時間ほどのメニューを終えると「今回の記録はなくなるものではないので良かったと思いますけど、選手としては1年間、結果を出すことが求められる。切り替えて頑張りたい」と口元を引き締めた。喜びは胸にしまい、もう次戦へ向かっている。【古川真弥】

◆マダックス 100球未満での完封を、メジャーでは「マダックス」と呼ぶ。08年に引退するまで、カブス、ブレーブスなどで通算355勝を挙げた技巧派右腕グレッグ・マダックスは13度、達成した。日本で今季の達成は、ここまでなし。昨季は3人(ヤクルト小川、楽天早川、阪神高橋)が1度ずつ達成したが、現役選手で通算でも複数回達成した投手は、まだいない。

◆佐々木朗希の完全試合 10日オリックス3回戦(ZOZOマリン)で史上16人目の完全試合を達成した。佐々木朗は立ち上がりから160キロ台の速球を連発。1回に3番吉田正から3球3三振を奪うと、ここからプロ野球新記録となる13者連続奪三振をマーク。後半も勢いが止まらず、最後は代打杉本を空振り三振で締めくくった。105球を投じてオリックス打線を完璧に封じ込み、打者27人をプロ野球タイの19奪三振、内野ゴロ5、内野飛球1(捕邪飛)、外野飛球2に仕留めた。チームは6-0で勝利した。