日本ハムが奇策からの大技小技を交えた猛攻で大勝した。

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ロッテ3回戦(ZOZOマリン)の5回にカウント1-2から仕掛けたスクイズが成功するなど、試合前まで防御率0・00だった石川をKO。試合中盤以降は要所で長打も飛び出して今季最多の17安打11得点に新庄剛志監督(50)も笑顔。17日に対戦する“令和の完全男”こと佐々木朗希投手(20)の攻略へ、BIGBOSS打線が弾みを付けた。

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会心の勝利にBIGBOSSは「言うことなしおちゃん」。笑みがはじけた。「今日なんて、いっぱい聞く子がいるから」と、足早に球場を去った新庄監督の足取りも軽やか。仕掛けまくって勝ちきった試合後、自身のインスタグラムでも「キャンプから取り組んできた全員が野球を楽しんでやる野球が出来た1日でした!!ナイスゲーム!!」と投稿。選手をたたえた。

意表を突く采配で完全に主導権を奪った。5回1死三塁。カウント1-2と追い込まれていた石井にスクイズのサインを出した。三塁走者の動きが見える右投手で、スリーバント失敗の可能性もある2ストライクからのスクイズは、セオリーではない。

作新学院、早大と名門校を経てプロ6年目の石井も「あそこで(スクイズのサインが)来るとは思っていなかった。初です。高校、大学でもなかった」と驚いたが「疑う暇がなかった。頼むから、当たるところに来てくれ」と決死の覚悟で臨み、成功させた。

1点を追う3回も、采配が的中した。1死一、三塁で野村にエンドラン。遊ゴロでスタートしていた一塁走者のアルカンタラは併殺は免れ、三塁走者の渡辺が同点のホームを踏んだ。サインはファーストストライクのファウル後に出た。「ボスが合ってないなという判断をしてのサインだと思う」と野村が振り返ったように、即座に下した最善の判断で1点をもぎ取った。

6回にはアルカンタラの3号ソロと大技小技が決まり、新庄監督では初の2桁得点。試合前まで防御率0・00だった石川を攻略し、17日は佐々木朗を攻略にかかる。BIGBOSSは「明日も仕掛けますよ」と不敵に笑った。令和のニュースターを、どう崩すか-。要注目だ。【木下大輔】