ロッテ井口資仁監督(47)の決断が揺らぐことはなかった。8回裏の攻撃が終わると、ベンチを出て、球審に告げた。佐々木朗希投手(20)は、2試合連続でパーフェクトなるか-。その直前で代えた。

【写真たっぷり詳細ライブ】完全試合達成の佐々木朗希が再び快投! 17日のロッテ-日本ハム戦

「本当に素晴らしい投球で、できれば最後まで我々も見たかったし、ファンの方も見たかったと思いますけど、いろいろ先々考えると、あそこが今日は限界だったのかなと思います」

投球自体は「素晴らしかった」とたたえた。一方で「今日は100球弱と思っていた」。7回を終えると86球になっていた。

「7回終わった時点で朗希がちょっとへばりつつあったので、何とか8回までと思っていました」

2試合連続での完全試合-。日米ともにない偉業。国内外の野球ファンたちが注目した。未知の記録がかかっていた。指揮官は102球で大きな決断をした。

「記録は記録でありますけどね、やっぱりチームが勝つというか、1年間朗希がローテーションを回るということが大事なので。いろんなことを加味して」

プランは変わらない。「行きます。明日以降の体の状態を見ながら」と、24日のオリックス戦(京セラドーム大阪)での先発予定を明言した。プロ3年目。初めて中6日で先発を務め、次回で5度目のマウンドになる。プロ1年目は肉体強化に終始し、実戦登板なし。2年目はほぼ2週間に1度のペースで投げた。「中6日で1年間投げられるように」。本人の年間目標、チームの方針を優先した。

3年前の夏。岩手大会決勝で投げなかった佐々木は「監督の判断なので…」と神妙な表情をした。この日は。「途中、疲れている部分もあったので、その中で首脳陣の判断なので。試合中にも木村コーチと話しながら、納得する形で降りました」。うなずきながら、口にした。【金子真仁】