BIGBOSSが定石ではない采配で、乱打戦を揺さぶった。3点を追う4回無死一塁。新庄監督は5番野村佑希に対してセーフティーバントのサインを出した。犠打が決まって1死二塁とし、続く石井が中前適時打を放って2点差に迫った。

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複数点を追い掛ける展開での犠打は、プロ野球ではあまり見られない。走者をためて、大量点を目指して一気に追いつき、追い越せと攻撃していくのが定石。しかも、クリーンアップを任せ、長打力もあるプロ通算1犠打の野村に対してのバント指令。これがハマって得点すると、たまらず楽天石井GM兼監督は先発高田孝を交代させた。

この日は3回に近藤の1号2ランで先制も、その裏に6点を奪われて主導権を完全に奪われていた。直後の攻撃で、前夜は4打数無安打と打てなかった今川が汚名返上の2号ソロ。少し盛り返した勢いを、新庄監督の意外性あふれる采配で加速させた。今川は「昨日、チームの勝利に貢献できず悔しい気持ちがあった中、今日は切り替えて“大執念”で試合に臨みました」と、続く5回にも適時打を放って1点差に迫った。ハラハラドキドキ、BIGBOSSの目指す野球が詰まった仙台の夜になった。【木下大輔】

◆20日楽天戦の今川VTR 「7番DH」でスタメン出場。3打数無安打で迎えた9回2死三塁、楽天が右腕の西口から守護神松井へ交代した場面で打席が回ってきた。ネクストバッターズサークルで気合を高めていた今川は新庄監督から「結果なんて気にしなくていいよ。この場を楽しんで、行け」とアドバイスを受けたが、結果は三振。試合後、新庄監督は「この間の(17日ロッテ戦の)万波君のケースがあったから。全然合ってない三振をしていて、ああいう結果(決勝の先制3号ソロ)が出たから。ああいう若い子には結果を出して自信が出て、自信をつけさせて育てていく」と明かした。

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