来日3年目の阪神ジョー・ガンケル投手(30)が、“4度目の正直”で今季初勝利をもぎ取った。140キロ台後半の直球にツーシーム、スライダー、スプリットなどを織り交ぜ、5回3安打2失点。ヤクルト打線に的を絞らせなかった。

【ライブ詳細】阪神佐藤輝明先制2ラン、小幡竜平プロ初本塁打などで快勝>>

「序盤で味方が大量援護してくれたので、チームの流れを切らないようにストライク先行を意識して投げたよ。調子は良くなかったけど、守備にも助けてもらいながら何とか試合をつくることができて良かったね」

ピンチでも踏ん張った。初回は2死一、二塁から5番塩見をスプリットで中飛に仕留めた。2回は1死からオスナに右翼線への三塁打を許したが、落ち着いて後続を断った。4回も四球、二塁打で無死二、三塁とされ、連続の内野ゴロで2点を失ったが、タイムリーを与えず相手に流れを渡さなかった。

「HUNGRY DOGS RUN FASTER」。NFLイーグルスのコーチが残した名言で、ガンケルが好きな言葉の1つだ。直訳すると「腹を空かせた犬はより速く走ることができる」。2月の春季キャンプでは通訳を介して、この言葉が持つ意味をチームメートに熱弁した。「スポーツでは『勝利』や『うまくなりたい』というハングリー精神を持っている選手、チームはいかなる困難でも強く戦える」。昨季9勝右腕がここまで3連敗と苦しんだが、勝利への「飢え」を体現し、チームを5勝目に導いた。

昨季ヤクルト戦は2勝0敗、防御率1・77と好相性を誇った。お得意さまから手にした1勝を皮切りに、ここから勝ち星を積み重ねていく。【古財稜明】

▼阪神ガンケルは、今季初勝利を得意のヤクルト戦で飾った。昨季はこのカード6試合に先発し2勝0敗、防御率1・77で被打率1割8分9厘。クオリティースタート(QS)5度でQS率83・3%と好相性だった。

○…渡辺が1回3人斬りで、開幕からの連続無失点試合を「9」に伸ばした。6回に2番手で登板。先頭村上を外角低めのスライダーで空振り三振。続く塩見も外から切れ込むスライダーで空振り三振に仕留め、最後は長岡を中飛に退けた。連日の村上、塩見斬りに「昨日に引き続き相手の中軸に対して自分の持ち味を出すことができた。これを自信にして、今後も与えられた場面でしっかり仕事ができるように準備したいです」と力を込めた。

○…阪神は6回から継投策に入った。5回2失点のガンケルに対し、4点リードのあった6回の打席で代打小幡をコール。矢野監督は「ちょっと重そうな感じにも見えたし、投げてない(中継ぎ)投手も結構いた。そういうところでは早めにいってもいいんじゃないかなと思って」と説明。6連戦ラストということもあり、早めの継投を決断した。