虎の新3、4番コンビが逆転劇の起点となった。2点ビハインドの4回、2試合連続3番の中野拓夢内野手(25)が、3番初安打となる中前打。4番佐藤輝明内野手(23)は右前打でつなぎ、無死一、三塁。直後、5番糸井の右前打適時打で1点を返した。

中野 3番を打たせてもらっているけど、自分の役割は塁に出ること。テルだったり、糸井さんだったりがつないでくれました。

無死一、三塁で、2試合連続「6番一塁」でスタメンの山本が初球スクイズに成功。投手前に転がすと、これが内野安打となり同点に。さらに1死二、三塁と攻め、8番坂本の遊ゴロで三塁走者の糸井が間一髪の生還(記録は野選)を決め、勝ち越しに成功した。中野から坂本まで、打者6人に投じられた球数はわずか9球。電光石火の大野雄攻略だった。

3番中野、4番佐藤輝の並びでチームは2連勝。前日27日はともに4打数無安打だったが、若い2人には反発力があった。

中野 自分の中では「3番目」ぐらいのつもり。自分の打撃をするだけです。前の試合も自分とテルでつなぎの打撃ができなかったので、今日は非常にいい攻撃ができたと思う。

24日のヤクルト戦で左脚を負傷した大山が、2試合連続で欠場。矢野監督はオーダーに頭を悩ませていたが、緊急で組まれた新クリーンアップが機能し始めた。指揮官も「1人1人の状態も上がりつつはある」と納得顔。上り調子で29日からの敵地巨人戦に臨む。

矢野監督 ピッチャーが頑張ってくれるっていうのが、今はどうしても必要。その中で打線をどうつなげていくか。全員でつないで、粘ってやっていくしかない。そういう野球をしたいと思います。

タクムとテル。虎の「TTコンビ」が、大逆襲を期す打線を引っ張る。【中野椋】

▼阪神が大野雄から3点を奪い勝利。大野雄には19年にノーヒットノーランを許すなど通算9勝15敗、防御率1・90と苦手としているが、昨年6月22日の対戦から4戦して3勝(1試合は勝敗関係なし)と、苦手左腕を克服しつつある。

○…山本が同点のスクイズを決めた。「決まって良かったというホッとした気持ち。いろんなサインが出るつもりで打席に入っている。どんなサインがきても対応できるイメージでいました」。1点を返した4回、なお無死一、三塁。2試合連続「6番一塁」の起用に応え、大野雄の初球をしっかり投手前に転がした。29日からは一昨年まで在籍した古巣巨人戦。「絶対活躍したい思いと、成長した姿をみんなに見せられたら」と恩返しを誓った。

▽阪神浜地(6回に2番手で1イニングを無失点)「先日のDeNA戦で敗戦投手となってしまい、チームに迷惑をかけたので、勝ちにつながる投球をしたいという、強い思いでマウンドに上がった。リードしている場面を任せてもらい、中軸に対して自分のボールを投げることができました」

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