ドラフト上位候補に挙がる白鴎大の最速151キロ、スリークオータ左腕・曽谷龍平投手(4年=明桜)が、春季リーグ戦の優勝を逃した。

11球団27人のスカウトが視察に訪れる中、初回から150キロを2球、たたき出した。持ち味の力強い真っすぐを軸に4回まで1安打無失点と完璧な投球を見せたが、5回、先頭を四球で歩かせると手元が微妙に狂い始めた。「1点は絶対やらないという気持ちで投げた中で、走者を出してちょっと焦ってしまいました」。制球が乱れ、中前打に2死球で押し出し。さらに満塁で右前適時打を浴び、3失点した。6、7回は持ち直したが、8回に2連打をされたところでマウンドを降りた。7回5安打5失点。「自分でここ一番の投球ができなかった。調子は悪い方ではなかったんですが…」と悔しがった。

それでも、スタンドで視察したスカウトは一様に高い評価を並べた。ヤクルト小川淳司GMは「右打者へのインサイドがいいから、外へのツーシームが生きる。球が速いし、強い。能力が非常に高い」。阪神畑山統括スカウトは「長身で左腕であれだけの球速があるのはとても魅力」。ロッテ榎スカウト部長は「バランス良くコースに投げられる。今はめりはりができて。打者も差し込まれている」と話した。

優勝は逃したが、曽谷は「大学日本代表入りを目指して、明日からしっかり練習したい」と、気持ちを切り替えた。