阪神が今秋ドラフト上位候補として立大.山田健太内野手(4年=大阪桐蔭)をリストアップしていることが16日、分かった。183センチ、85キロの大型二塁手で、東京6大学で現在、リーグ通算71安打を放つ右のスラッガーだ。右の内野手は阪神の補強ポイント。大阪桐蔭では中日根尾、ロッテ藤原らと甲子園で春夏制覇した「最強世代」の二塁手を徹底マークする。

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虎の恋人は大阪桐蔭の「最強世代」にいた。山田は中日根尾、ロッテ藤原らとともに春夏連覇を達成。4人が高卒でプロ入りする中、立大へ進学。「4年後プロに」と1年春から主軸としてレギュラーの座をつかみ、今では4番を張る大型二塁手だ。高卒で先にプロ入りし活躍する同級生たちの姿に、山田は「刺激がすごくあります。自分も早くあの舞台で戦いたい」と話しており、プロへの思いは強い。現在は主将を務め、キャプテンシーも十分だ。

阪神は早くからその実力を高く評価してきた。編成部門の幹部が継続的に視察。14日の早大戦では和田テクニカル.アドバイザー、宮脇アマスカウト編成ディレクター、畑山アマ統括スカウトの3人が視察する前で、安打を放ちアピール。開幕当初は不振だったが、翌15日も先制打を含む2安打を放つなど、激しい優勝争いの中で本来の力を発揮した。コロナ禍で20年の2年春は5試合制、2年秋~3年秋までは10試合制と少ない中で安打を量産し、通算71安打は東京6大学の現役最多だ。

右の内野手は阪神の補強ポイントだ。大山、北條、山本らがいるが、立大の先輩熊谷が26歳で最年少。若手の小幡、遠藤、高寺は左打ちだ。二塁手も今年30歳を迎える糸原が中心で、打力のある山田は最適の人材だ。侍ジャパン栗山監督も注目しており、中止となった3月の侍ジャパン強化試合(台湾戦)では日体大・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)と2人だけ、大学生としてメンバー入りする予定だった。

今季阪神は最下位に沈むが、2年目の佐藤輝が4番として成長著しい。山田が加入すれば、魅力的なオーダーが組める。他球団の評価も高く、立大の野手がドラフト1位指名されれば、87年長嶋一茂(ヤクルト)以来35年ぶり。補強ポイントに合致した山田を徹底的にマークする。

◆山田健太(やまだ・けんた)2000年(平12)7月19日、愛知・稲沢市生まれ。千代田小2年から東築ライオンズで野球を始める。千代田中時代は東海チャレンジャーでプレー。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入りし、3年時は甲子園春夏連覇に貢献。立大では1年春からレギュラー入り。50メートル走6秒4。遠投100メートル。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。

○…阪神は関学大の最速152キロ右腕、西隼人投手(4年=福岡大大濠)もリストアップしている。今春リーグ戦では主戦として5試合に先発し、31イニングで8失点、防御率0.58。阪神が4人態勢で視察した10日の関大戦は7回3失点も、熊野スカウトは「球のばらつきがなくなってきた。左打者の内角にも投げられる。(状態は)関西NO・1じゃないか」と評価していた。カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップと球種も豊富で、本人もプロ志望だ。西勇、西純に続く「3人目の西」誕生もあるかもしれない。

◆虎の今秋ドラフト事情 阪神は山田の他にも上位候補として、最速150キロ左腕で投打二刀流の日体大・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)、東京6大学野球通算10本塁打の左のスラッガー早大・蛭間拓哉外野手(4年=浦和学院)の大学生や、高校生の大型左腕、京都国際・森下瑠大投手(3年)らをリストアップしている。今春センバツで4試合連続完投した右腕、近江・山田陽翔投手(3年)らにも注目。社会人では、大阪ガスの高卒3年目最速151キロ右腕・河野佳投手(20=広陵)の名前が挙がる。スカウト会議を重ね、絞り込んでいく。

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