新Gキラー襲名だ! 阪神新外国人のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が、来日最長の7回を3安打0封し、3勝目を挙げた。うち2勝が巨人戦。「巨人キラーと呼んでもよろしいですか?」。お立ち台でインタビュアーから聞かれると、米国俳優のキアヌ・リーブス似と評判の男前は「ハハハッ、OK!」と笑顔で返した。

抜群の制球力を存分に発揮し、二塁すら踏ませなかった。最速147キロの直球にチェンジアップ、カーブを織り交ぜ緩急自在。7回に初めて先頭打者の出塁を許したが、4番の岡本和を低めのスライダーで二ゴロ併殺打に料理した。リードは2点で十分と言わんばかりの安定感。満員のファンを沸かせ続けた。

新コンビもハマった。4年ぶりに1軍戦の先発マスクをかぶった長坂とは、2軍戦も含め初のバッテリーだった。「今日は長坂さんの配球がすべてだった」。試合中も密にコミュニケーションを取りながらゲームを進め、「彼の仕事が本当に僕のためにもなりましたし、彼の力は大きかった」と感謝は尽きなかった。

異国の地で真価を発揮している。メジャー通算1勝の右腕が、同46勝を誇るシューメーカーと3度目の投げ合いで、無傷の2勝だ。休日には家族と神社を訪れ、リュックに数種類のお守りをつけるなど、「日本の文化が本当に素晴らしい」と異文化にも積極的に触れ合う。最近覚えた日本語は「オツカレ」。お立ち台の最後は「タイガースファンズ、スキヤネン!」で締めくくった。【古財稜明】

▽阪神矢野監督(ウィルカーソンについて)「今日は真っすぐで押すボール、強さがしっかりあった。すべてのボールが決め球になる。(捕手は)リードする上で面白みがあると思う」

○…4月中旬の新型コロナ感染から復活した阪神伊藤将が、22日の巨人戦で約1カ月半ぶりに1軍戦で先発する。甲子園でダッシュなどで登板に備えた左腕は、「長かったですね。早く1軍で投げたいとずっと思っていた」と気合十分。復帰後2軍戦は3試合11イニングで2失点の安定感を誇り、満を持しての昇格だ。「低めに投げることを心がけてきた。明日も変化球が低めに決まれば」。交流戦前のラストゲームで、チームの2連勝締めを目指す。

○…阪神湯浅が1回無失点でリーグ単独2位の12ホールドを挙げた。2点リードの8回に2番手で登板。先頭中島に四球を与えたが、大城を中飛に斬り、中山の打席で長坂が代走増田大の盗塁を阻止。最後は中山を外角低めのフォークで空振り三振に仕留め、結果的に3人で片付けた。12試合連続無失点で防御率は0・98とついに1点台を切った。「しっかりこのパフォーマンスを継続して、チームの力になれるように頑張っていきたい」と力を込めた。

○…阪神守護神岩崎がヒヤヒヤの6セーブ目を挙げた。2点リードの9回に登板し、いきなり3連打を浴びて1点差に。2死二、三塁から代打中田を歩かせ満塁の大ピンチを背負ったが、代打北村を遊ゴロに斬った。開幕から13試合無四球が一転、今季初黒星を喫した17日のヤクルト戦から3試合連続で四球を与えるなど状態は下降気味。矢野監督は「もう優(岩崎)を信じて。頑張ってくれっていう、応援だけでした。よく投げてくれた」とたたえた。

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